「欲望 blow up」 を見ました。 [映画:ヤ行]
1966年 イギリス=イタリア
監督 ミケランジェロ・アントニオーニ
巨匠アントニオーニ、カンヌでパルムドールを取った作品ですね。
よくポストカードとかにもなっている有名シーンをレンタル屋で発見し、思わず手に取ってしまいました。
音楽がハービー・ハンコックだというのもちょっと気になって。
イントロのちょっと軽快な感じの「60年代テイスト」バッチリの曲から始まり、ちょっと何を考えているのか分からない主人公が登場します。
彼は写真家で、あるとき公園で偶然男女の逢い引き?を目撃、それを写真に納めます。気付いた女性が「返して」とあまりに執拗に言ってくるのも聞かず、家に持ち帰って現像してみたら・・・!
と、ここにくるまでは結構長尺が多くて、正直なにが起きているのかも良く分からないまま進んで行くんですよ。
で、どうしてこんなに返してほしがるんだろう?と疑問に思っていると、それが急に分かる!というね。
このすごい所は、特にセリフ的に説明があるわけじゃないんですよね。
主人公が見つけたものを、画面から自分も見つけ、「もしかして、そう言うこと〜!!?」と思ってびっくりするというね。
大げさな演出とかってあまり好きではないので、こういうのは面白いと思いますね。
またまたすごい所は、この後なんらかの解決があるのではないかと思って夢中で見てしまうんですよね。
で、主人公がフラフラと行く場所やよく分からない行動に何か、ウラの意味があるような気がしてしまうという。
いや、ウラじゃなくて表にちゃんと意味が隠されていて、それに気付く方々も沢山いるんだと思うんですけどね。
最初スタジオで写真を撮影するシーンとか、60年代のカラフルな感じが良かったですね。
初めに出て来た集団が最後でも出て来て、その辺ジャック・タチのオマージュだとかそういう見方もいろいろ出来るんだろうとは思うんですが、自分的にはこの「何だろうね?」的な感じが残るのが、この作品の面白さなのかなと思ったりします。
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