「鎖」（上・下） [本]
乃南アサ 著
新潮文庫
またまた乃南センセイの著書、父親から「続編」のおススメで読んでみました。
「音道女刑事シリーズ」の一つですね。
音道刑事は八王子署に戻り、犯罪の初動捜査をする部署に配属になっています。
素人にも分かりやすく、警察の組織構成や仕事内容などが紹介されている親切さは相変わらずです。
彼女のチームが、ある占い師の夫婦とその信者？が家の中で惨殺された事件の捜査に関わる所から話はスタートします。
捜査本部に召集されることになった音道刑事は、自分よりも若いけど階級は上の警部補、星野とペアを組むことになります。
波風を立てないように大人の態度で接する彼女の様子が星野ヘンな誤解を与えたらしく、「付き合わないか」と言われ、断ったあげくに逆ギレされるという妙な事態になっていくんですね。
完全に自分中心モードになった星野の勝手な判断で、２人は別行動を取ることになります。
普通、捜査官が１人で行動するってことはあってはいけないことなんだそうですね。
それを証明するかのような事件が、その後すぐ発生します・・・。
と、ここまで来ると、前作に出て音道刑事とコンビを組んだあのオジサン・・・滝沢さんは出ないのか、今回は・・・と、皆が思うことでしょう！少なくともわたしは思いました。
そんなタイミングを待ってましたと言わんばかりに、颯爽と（？）登場するんですね。
滝沢刑事は「捜査中に刑事がいなくなった」という件での捜査を開始します。
いなくなった刑事とは音道刑事、彼女は図らずも事件の犯人に捕まって、人質になってしまいます・・・！
ここからは、人質である音道刑事の視点と、捜査する側に回る滝沢刑事側の様子が交互に描かれていくことになります。
例によって目の前にその場面が浮かぶかのようなリアリティのある描写です。
目隠し＆手錠と鎖で体の自由を制限されている状態の、音道刑事の怒りや恐怖の感情。
捜査がいまいち進まない中での、捜査員のイライラや星野へ対する怒りなど・・・。
それと更に、犯人グループの一人の女性が関わり、話が断然幅広くなって、更に引き込まれるように読み進んでしまいます・・・。
キャラクターの設定や描き方も、さすがといった感じです。
主役の２人をはじめ皆個性があって面白かったんですが、今回はやはり星野でしょうか。
ある意味全てをスタートさせた重要ポジションだし・・・そしてこの自己中勘違いっぷりとか、逆ギレっぷりとか、程度の大小はあれど、こーいう人いそうだよなぁと思ってしまいます。
続編も文字通り続々と出ていて、それだけ皆が音道刑事や滝沢刑事のことを好きになっているってことなんだろうなと思います。
何となく、彼女達がそれぞれの職場でリアルに仕事している様子が思い浮かびそうですし、それだけその世界で「生きている」存在なのかもなぁと思います。
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なんだかおもしろそうな本ですね。お正月にでも読んでみようかな。
今年もトミュウさんの個性的なブログで楽しませていただきました。
来年はよりユニークな記事を期待しております。
良いお年を☆
by coco030705 (2007-12-30 00:07)
> ココさま
nice！とコメントありがとうございます！
だだーっと読めるので、お正月休みにはピッタリかも知れません。
今年もココさんの温かいコメント、とても嬉しかったです。
ココさんのブログもいつも楽しみに読ませて頂いてました。
2008年もよろしくお願いします！
by トミュウ (2007-12-30 18:54)