「夜顔」 を見てきました。 [映画:ヤ行]
2006年 ポルトガル=フランス
監督 マノエル・ド・オリヴェイラ
なんといっても現役映画監督としては最高齢、99歳!のオリヴェイラ監督の最新作です。
前作『永遠の語らい』もしっとりと素晴らしい作品だったこともあり、注目していました。
これはカトリーヌ・ドヌーヴ主演、ルイス・ブニュエル監督の作品『昼顔』の38年後・・・残念ながら『昼顔』はチェックせずじまいだったのですが、順番が逆でも悪くなかろうという一心で見に行きました。
ミシェル・ピコリ演じる主人公ユッソン氏は、冒頭(ちょっと長い・・・)オペラの会場でかつての友人の妻、今は未亡人のビュル・オジエ演じるセヴリーヌの姿を見つけます。
しかし過去を思い出したくない彼女はその場から姿を消し、その後もあちこち逃げます。
セヴリーヌが入ったバーに入るも,すり抜けるように逃げて行きます。
ユッソン氏はそこの若いバーテンダーに探し人のこと、そして彼女と自分の間にある過去などを話し始めます・・・。
ストーリー的にも演出的にも、大きな動きはほとんどないんですが、それがまた良いんですよね。
出てくる場所やセヴリーヌの衣装にも随所に高級感が感じられて、大人の洗練された雰囲気を漂わせます。
終盤、ついにセヴリーヌと食事をする約束をすることに成功したユッソン氏・・・彼女が来るまでの、ちょっとそわそわした感じとかがかわいらしいです。
そんな感じでちょっと気を抜いたというか、クスッと笑える場面がたまに入るのも良いですね。
ほとんど会話のみで進んで行くこの映画・・・実はちょっと眠くなったりした部分もあるのですが、落ち着いた、それでいて絶妙な緊張感のある映画になっていると思います。
やっぱり『昼顔』もチェックしなくては・・・!
同じ劇場での期間限定上映には行けませんでしたが、「その後の姿」を思い浮かべながら『昼顔』を見るとちょっと見方が変わるような気がするし、更にこの映画に対する感じも変わるような気がします。
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