ジェネラル・ルージュの凱旋(小説) [本]
海堂尊 著
宝島社文庫
3月に映画も劇場公開され、多方面で大ヒットしている『ジェネラル・ルージュ』、わたしは今までこのシリーズの本も映画もテレビも見たことなかったんですが・・・父親に半ば無理矢理(?)勧められたこともあり、読んでみました。
まぁこれまで全然接点がなかったとはいえ、気になるシリーズではありましたしね・・・。
桜宮市の東城大学医学部付属病院に、ステージで歌っていた伝説の歌姫が大量吐血で運び込まれた所からこの物語はスタートします。
たまたま同僚とステージに来ていた看護士、如月翔子は、上を無視して患者の受け入れ先を決めたことに対して翌日お叱りを受け、この問題をリスクマネジメント委員会に出すための書類作りをさせられます。
このリスクマネジメント委員会の委員長は、神経内科の万年講師田口公平。
彼の元に匿名で投函されたある投書がきっかけで、病院はまた新たな動きを見せることになります・・・。
その投書の内容は、救急救命センターの部長で田口の同期、速水晃一が収賄を受けているというものでした。
彼は部長室でICUの各ベッドを映すモニターを見つめながら、それぞれの患者の状態を確認し医師や看護士にマイク越しに指示を出しています。
速水の異名は「ジェネラル」。ここに勤務する翔子や同僚看護士などは、このヒミツを後で知ることになる訳です。
投書について病院長高階権太に意見を求めた田口は、この問題を倫理検討委員会=エシックス・コミティに出したらどうかという指示を受けて提出することにします。
このエシックス・コミティの委員長は精神科の沼田泰三。
田口の成功を面白く思っていない彼は、突然来訪した田口に対し嫌味タップリのセリフで歓迎し、次の委員会にかけるための資料を作成するようにと、宿題をどっさりと渡します。
その後のエシックス・コミティで行われる沼田の嫌味タップリ・豪華絢爛で意味のない論議にエキヘキする田口。
これらの会議の様子がかなりの臨場感で、実際にこういうことが行われているとしたら・・・なんだか無駄な気もするけどなーと思いながら読んでいました。
それぞれのキャラクターの身体的・性格的特徴が具体的にはっきりと描写されていて、読んでいて頭の中で映像を作りやすい感じがしますね。
登場人物は結構多いのに、皆ちゃんと違う人物としてイメージできるし、映画化も納得という感じです。
大学病院の実態・・・これが本当なのかどうかは分かりませんが、完璧な医療を目指そうと思うとそれなりの予算が必要、しかし利益も確保しなければならない・・・というジレンマがあるということも知り、難しい問題だなーと思いました。
きっと最近の医師不足などにも影響しているんでしょうね。
作者は現役の医師であるということですから、医療現場が抱える問題もありありと実感し、それを世間に出す必要があると思っているのかも知れません。
それを難しい論文ではなく、エンターテインメントとしても本当に楽しめる小説という形で実現したことは、素晴らしいことだと思います。
しかも海堂先生の小説はどこかでリンクしているらしいですね!
個人的にそういうの大好きなので、シリーズの他の作品も絶対読みたいという気持ちになります。
早速、この作品の対となる『ナイチンゲールの沈黙』も父から借りたので、近いうちに読みたいと思います。
宝島社文庫
3月に映画も劇場公開され、多方面で大ヒットしている『ジェネラル・ルージュ』、わたしは今までこのシリーズの本も映画もテレビも見たことなかったんですが・・・父親に半ば無理矢理(?)勧められたこともあり、読んでみました。
まぁこれまで全然接点がなかったとはいえ、気になるシリーズではありましたしね・・・。
桜宮市の東城大学医学部付属病院に、ステージで歌っていた伝説の歌姫が大量吐血で運び込まれた所からこの物語はスタートします。
たまたま同僚とステージに来ていた看護士、如月翔子は、上を無視して患者の受け入れ先を決めたことに対して翌日お叱りを受け、この問題をリスクマネジメント委員会に出すための書類作りをさせられます。
このリスクマネジメント委員会の委員長は、神経内科の万年講師田口公平。
彼の元に匿名で投函されたある投書がきっかけで、病院はまた新たな動きを見せることになります・・・。
その投書の内容は、救急救命センターの部長で田口の同期、速水晃一が収賄を受けているというものでした。
彼は部長室でICUの各ベッドを映すモニターを見つめながら、それぞれの患者の状態を確認し医師や看護士にマイク越しに指示を出しています。
速水の異名は「ジェネラル」。ここに勤務する翔子や同僚看護士などは、このヒミツを後で知ることになる訳です。
投書について病院長高階権太に意見を求めた田口は、この問題を倫理検討委員会=エシックス・コミティに出したらどうかという指示を受けて提出することにします。
このエシックス・コミティの委員長は精神科の沼田泰三。
田口の成功を面白く思っていない彼は、突然来訪した田口に対し嫌味タップリのセリフで歓迎し、次の委員会にかけるための資料を作成するようにと、宿題をどっさりと渡します。
その後のエシックス・コミティで行われる沼田の嫌味タップリ・豪華絢爛で意味のない論議にエキヘキする田口。
これらの会議の様子がかなりの臨場感で、実際にこういうことが行われているとしたら・・・なんだか無駄な気もするけどなーと思いながら読んでいました。
それぞれのキャラクターの身体的・性格的特徴が具体的にはっきりと描写されていて、読んでいて頭の中で映像を作りやすい感じがしますね。
登場人物は結構多いのに、皆ちゃんと違う人物としてイメージできるし、映画化も納得という感じです。
大学病院の実態・・・これが本当なのかどうかは分かりませんが、完璧な医療を目指そうと思うとそれなりの予算が必要、しかし利益も確保しなければならない・・・というジレンマがあるということも知り、難しい問題だなーと思いました。
きっと最近の医師不足などにも影響しているんでしょうね。
作者は現役の医師であるということですから、医療現場が抱える問題もありありと実感し、それを世間に出す必要があると思っているのかも知れません。
それを難しい論文ではなく、エンターテインメントとしても本当に楽しめる小説という形で実現したことは、素晴らしいことだと思います。
しかも海堂先生の小説はどこかでリンクしているらしいですね!
個人的にそういうの大好きなので、シリーズの他の作品も絶対読みたいという気持ちになります。
早速、この作品の対となる『ナイチンゲールの沈黙』も父から借りたので、近いうちに読みたいと思います。
コメント 0