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「トスカーナの贋作」 を見てきました。 [映画:タ行]

2010年 フランス=イタリア
監督 アッバス・キアロスタミ

またしばらく時間が空いてしまいました・・・。
ここから先は、前に見た映画の感想になっちゃいます。

アッバス・キアロスタミ監督は『友達のうちはどこ?』の頃から本当に好きで、新作はほぼ必ずチェックしています。
キアロスタミ監督の映画には大スターなどが出てくることが少ないという印象ですが、今作はジュリエット・ビノシュ主演、しかも舞台がヨーロッパということで、これまでの作品と随分雰囲気が違っていてとても気になっていました。
2010年のカンヌ映画祭で主演のジュリエット・ビノシュが女優賞を受賞したんですね。

イタリア、トスカーナに「オリジナルと贋作の問題」について書かれた本の出版記念講演に訪れたイギリスの作家、ジェームズ。
そこに、ギャラリーを経営する1人の女性が息子を連れて聞きに来ていました。

講演後、ジェームズは彼女のギャラリーを訪れます。
そこで女性は「面白い所に連れて行ってあげる」と誘い、「午後9時までに戻るなら」という約束でつきあうことにします。

立ち寄ったカフェで夫婦と間違われた2人は、本物の夫婦のように演じるというゲームの様なことを楽しむことにします・・・。

この作品、最初はこんな感じで、見て行くうちに2人はやっぱり本当の夫婦なのかどうなのか?が全然分からなくなって行きます。
「現実と虚構の境界線」といったラインが非常にあいまいで、その辺がキアロスタミ監督らしいな〜と感心せざるを得ません。
・・・といっても見ているうちは混乱半分って感じだったんですけどね。

キアロスタミ監督のこれまでの作品は劇映画なのにドキュメンタリーのような印象の作品が多く、これが1つの「境界線の曖昧さ」を表現していてすごいと思っていました。
この作品は、全く逆の手法でそれをやってみせてくれたという印象です。

もちろん「贋作の夫婦」を演じた2人の演技が素晴らしかったこともあります。
ジュリエット・ビノシュは言うまでもなく、ジェームズを演じたウィリアム・シメルは本業はオペラ歌手で、映画初出演だそうで。
こういうキャストの選び方もキアロスタミ監督らしいな〜なんて思ったりもしますが、とにかく非常に見応えのある演技でした。

そしてまた、トスカーナの風景も非常に綺麗で印象的でした。

これまでの作品とは違った印象の作品を見せてくれたキアロスタミ監督、今後はどういう作品を作ってくれるのか期待して待ちたいと思います。


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コメント 3

coco030705

こんにちは。
なんか大人の映画という感じの作品ですね。
風景もよしで、観てみたいと思いました。

by coco030705 (2011-04-24 17:39) 

トミュウ

> ココさん
こんにちは。nice!とコメントありがとうございます。
大人の映画って感じでした〜。
イタリアの風景も美しいし、是非観たら感想聞かせて下さい!
by トミュウ (2011-04-27 17:12) 

トミュウ

> ぼんぼちぼちぼちさま
nice!ありがとうございます!
by トミュウ (2011-04-27 17:13) 

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