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「マンディンゴ 」 を見ました。 [映画:マ行]

1975年 アメリカ
監督 リチャード・フライシャー

絞殺魔』のリチャード・フライシャー監督の奴隷問題を題材にした作品です。
タイトルのマンディンゴとは、屈強な体を持つマンディンゴ族の純血で、奴隷の中でも高価で取引された人達とのことです。
・・・人に対して「取引」というのは非常に違和感がありますが、違和感がなかった時代のアメリカが舞台です。

1920年代のアメリカ、ルイジアナ州にあるファルコンノースト農園は宏大な農地を持つ大きな農園ですが、事業の要となっているのは、黒人の奴隷を集めて子供を産ませて売買するという、まるで牧場のような形態の事業です。
当主で強烈な差別主義者のマクスウェルは、ひとり息子のハモンドに、早く白人の女性と結婚して跡取りの顔を見たいとけしかけます。

ある縁で大地主の娘とお見合いをすることになり、ハモンドは数日掛けて出かけます。
ハモンドそこで出会った娘・ブランチと一目で恋に芽生えましたが、途中で出会った黒人の娘エレンにも惚れてしまった様子。

結婚後、ブランチが処女ではないと知ったハモンドは激怒し、エレンを呼び寄せて農園の働き手として雇います。
それと同時に逞しい体を持つマンディンゴの男性ミードを高値で買い取り、彼を身近において鍛えます。

この作品、まず奴隷の売買の描写に少なからずショックを受けます。
そしてマクスウェルの差別主義の典型といったセリフの数々もかなりショッキングですが、当時はマクスウェルのような人は本当にいたんだろうなと思います。

ハモンド、エレン、ブランチ、そしてミードも加わっていろいろとドロドロしていく様子はさながら昼ドラのようです。
クライマックスは、その数十年後に起こる南北戦争へとなんとなく繋がって行く様な形になって行きますが、なんというか後味の悪い感じがする作品ですね〜。

恥ずかしながら、自分はアメリカの奴隷制度についてはほとんど知らないので、こんな感じだったんだ〜と驚きながら見てしまいましたが、この作品公開当時は大分物議を醸し出したのではないかという気がします。
ヘタに爽快感溢れるいい話にするのではなくて、見る人にあまりプラスではない余韻を残すこの作品は、奴隷制度について「なんであんな制度があったんだろうね」と考えさせられる非常に興味深い作品だと思います。

ストーリーに引き込まれて飽きないし、硬派なドキュメンタリーも良いですが、この作品のように見て楽しめるけれどもいろいろ考えさせられる・・・という映画は非常に貴重だと思います。
フライシャー監督は幅広いジャンルの作品を作っていますが、いろいろ見たくなってしまいますね。
他にもいろいろ探してみたいと思います。




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