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「ライク・サムワン・イン・ラヴ」 を見てきました。 [映画:ラ行]

2012年 日本=フランス
監督 アッバス・キアロスタミ

イラン国外を舞台にした作品が続くキアロスタミ監督、最新作は日本を舞台にして、登場人物も日本人、もちろん日本語という意外な作品です。
新作はもちろん気になるし、日本をどういう風に撮るのだろうという楽しみもありますよね。

映画は騒がしいカフェから始まります。
そこでは、ある女の子が彼氏のことについて話したり、急にナゾナゾの話になったりしています。
急に女の子の前に座った中年男性との話から、女の子=明子がデートクラブのコで、これから仕事に行かねばならないことが分かります。

夜遅くに明子がやって来たのは、80歳過ぎの元大学教授、タカシの家。
タカシは彼女と一緒に食事をするべく、ワインと手の込んだ料理を準備していましたが、明子は手を付けずに寝てしまいました。

翌朝、明子を大学まで送ったタカシは、明子の彼氏のノリアキがキレ気味に彼女に詰問しているところを見ます。
そこでタカシの車に気づいたノリアキは、タカシのことを明子の祖父と思い込み、彼女と結婚したいと思っていることなどを話し出します・・・。

これまでのキアロスタミ監督作って、どちらかというと広大な砂漠だったり、前作の『トスカーナの贋作』でも観光地だったり、美しい風景の印象が強かったので、煩雑な東京・新宿から始まった今作はなんだか不思議な印象を受けました。
でも冒頭の長いカフェのシーンや車内での会話のシーンなど、やっぱりキアロスタミ作品なんだなーと思えるところがたくさんありました。

ちょっとしたイザコザはあるものの、特に何が起きるという訳でもなく過ぎて行き、どんな風に終わるんだろう・・・と思っていたら、なかなか衝撃的な感じでしたね。

役者さん達は皆いい雰囲気で良かったです。
ドラマとかあまり見ないので、ノリアキの加瀬亮さん以外はあまりよく知らない方々だったんですが・・・。
タカシの奥野匡さん、ちょっととぼけた感じで、でも寂しさも醸し出すという絶妙な雰囲気でしたね。
明子の高梨臨さんも自然で奔放な感じが良かったです。
加瀬さんは、いい奴だけどキレたら手が付けられないという役どころに本当に似合ってました。

あまり大げさな演出をせず、一つひとつのシーンが丁寧に長めに撮られています。
こういう作品って日本の人が作る映画にはあまりない気がしていたのですが、思い起こせば昔の日本映画はこういう感じでしたよね。
それこそ小津映画とか。
日本と日本映画に対する監督のリスペクトというか、愛情というか、そういう物を感じられた作品だった気がします。

イランで映画を撮るのは大変な状況だっていう事情もあるらしいですが、キアロスタミ監督が次にどんな国で映画を作るのかなーという楽しみも出てきた気がします。
今後の作品も楽しみにしたいと思います。





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コメント 3

coco030705

こんばんは。
トレーラーみせていただきました。
音楽がすごくいいですね。日本のようで日本でない感じ。
観てみたいですね。
by coco030705 (2012-11-18 21:25) 

トミュウ

> ココさん
こんばんは。nice!とコメントありがとうございます。
そうなんですよね、日本なのに日本ぽくないんですよね。
独特の雰囲気がとても良かったので、ぜひ観てみてくださいー!
by トミュウ (2012-11-23 01:42) 

トミュウ

> you-papaさま
nice!ありがとうございます!
by トミュウ (2012-11-23 01:43) 

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