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「メランコリア」 を見ました。 [映画:マ行]

2011年 デンマーク=スウェーデン=フランス=ドイツ=イタリア
監督 ラース・フォン・トリアー

ラース・フォン・トリアー監督は嫌いではないのですが、見るとズッシリと重い感じになる作品が多くてなかなか見るのに踏み切れないんですよね。
この作品は、主演のキルスティン・ダンストがカンヌ映画祭の主演女優賞を受賞していることや公開時にかなり好評だったことなどもあり、意を決して見てみることにしました。

映画は主人公姉妹2人の名前がついた2パートから出来ています。
第1部「ジャスティン」は、ジャスティンの結婚式の日を描いています。
リムジンが立ち往生して新郎新婦の到着が2時間遅れたことに始まり、母親のえげつないスピーチやジャスティンの逃亡などで、何がなんだか分からない結婚式。
終わってみるとジャスティンの周りには誰も残っていませんでした・・・という話です。

第2部「クレア」は、ジャスティンの姉クレアの話です。
結婚式後、自分で歩く事すらままならないほど情緒不安定になってしまったジャスティン。
クレアは、彼女を結婚式を行った郊外の別荘に招待します。
ここで「惑星メランコリアの大接近」を鑑賞しようとしてクレアの息子レオや夫ジョンと一緒に数日を過ごすのですが、実は大接近は予想外な展開になって行きます・・・。

全く関係ないような2つの話ですが、第2部でジャスティンはどんどん気持ちが安定して来て、それは多分あの結婚式があったからこそ近づいてくる「世界の終わり」を受け入れる事ができた、という事なのかも知れないと思いました。

逆に第1部でも第2部でも必死にジャスティンの面倒を見るクレアですが、彼女の方は惑星が近づいてくる恐怖でどんどん不安定になって行きます。
そんなクレアを楽観的な言葉でなんとか励まそうとするジョンは、実は自分が一番恐怖心に囚われていたという事でしょうかね。

これまで何作か見たトリアー監督作と比べると、この作品は、変にズッシリと来る事なく見れたんですよね。
まぁこれは惑星ですからね、人間のえげつなさなどをダイレクトに描いた作品のような嫌さがなかったからかも知れません。

キルスティン・ダンストのカンヌ女優賞は納得の演技だと思いました!
情緒不安定な時のヤバそうな表情から、段々スッキリした表情になって行くなど、セリフはそんなに多くないのに独特の雰囲気を素晴らしい表現力で演じていたと思います。

クレアのシャルロット・ゲンズブールも良かったですよ〜。
こちらは「普通の人代表」という感じだったとは思うのですが、どんどん「怖い怖い」となって、周りの事が見えなくなって行く感じが良かったです。

少年レオ君も良かったです。
小さい子が「世界の終わり」を覚悟しないといけないというのはやっぱりかわいそうな気がして、悲しくなってしまいますね・・・。
この映画の胸につまる感じは、レオ君の存在あってのことだと思います。

トリアー監督作は覚悟しないとなかなか見れないというのはあるんですが、やはり独特の世界観は素晴らしいと思いますので、今後の作品も気にかけて行きたいなーと思います。




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coco030705

こんばんは。
トレーラーをみせていただくと、とても美しく幻想的で不思議な感じが
しました。キルスティン・ダンスト、好みの分かれる女優さんですよね。
でもこの作品にはあっている感じがします。
トミュウさんの幅広いチョイス、すごいなって思います。
by coco030705 (2013-01-29 21:53) 

トミュウ

> ココさん
こんにちは。nice!とコメントありがとうございます!
そうですね、特に第2部は幻想的な雰囲気がします。
キルスティン・ダンストはすごく可愛いって感じではないところが
この作品に合っていたのかも?
by トミュウ (2013-02-02 17:00) 

トミュウ

> 月夜のうずのしゅげ さま
> マンチ軍団 さま
nice!ありがとうございます!
by トミュウ (2013-02-02 17:01) 

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