「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」 を見ました。 [映画:ハ行]
1987年 フィンランド
監督 アキ・カウリスマキ
カウリスマキ、わたしの大好きな監督の一人です。
ずーっと前にとある小さな映画館で過去の作品を結構見たのですが、見逃したものも入ってる〜!と思ってボックスセットを買ったのも何年か前・・・。
それを今さら紐解いてみたのでした。
タイトル通り、シェイクスピアの超有名戯曲がモチーフになっています。
主人公ハムレットの父親は何ものかに殺されてしまい、幽霊となってハムレットの前に現れます。
この半透明さ加減が絶妙・・・!
会社を乗っ取りたい副社長は、娘のオフィーリアにハムレットを誘惑するように命じ、狙い通りハムレットはオフィーリアに夢中です。
「じらせ」と言われている彼女は当然誘いには乗りません。
・・・とまあこんな感じで、比較的オリジナルに近いかなーと思います。
熱いラブコールをするハムレット、父親の命令で仕方なく誘惑しているオフィーリア・・・という図式の中に、本当はそういうフリをしているだけ・・・そっちも分かっているんでしょ的なスリルといいますか、そういうのも見える気がして面白かったですね。
そして実は2人ともお互いを本当に好いてた・・・なんて、悲劇かつロマンチックー!ですよね。
相変わらずの少なめのセリフ、控えめすぎる感情表現は健在です。
いかにも毒!なボトルとか、会社復興の切り札という大役を仰せつかった(?)アヒルとか、なんとなくラブリーかつ笑えるところもいいです。
ラストはまたあっけない感じで「あれ、もう?」っていうところで終わってしまうのですが、それもまた味の一つですからね。
結構救いのない感じが漂ってます。個人的には彼の映画もハッピーに終わる方が好きではあるんですが、哀愁溢れるエンディングテーマとか、「世の中の無常」を見たような感覚も悪くないんですよね。
またじっくり見たいと思う映画でした。
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