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「レスラー」 を見てきました。 [映画:ラ行]

2008年 アメリカ=フランス
監督 ダーレン・アロノフスキー

プロレスはあんまり見ないんですけど(WWEは好きですが・・・)この映画は予告を見てからちょっと気になる存在でした。
ミッキー・ロークのアカデミー賞ノミネートも話題になりましたね。

イントロでは1980年代にプロレスの大スターとして大活躍したランディ・ロビンソン。
「ザ・ラム」というニックネームでスターの座にいた彼も、20年以上過ぎ、50歳を過ぎた今ではアルバイトをしながらなんとか週末興業をやっています。
それでも、プロとしての意識を忘れない彼はプロテインを飲み、髪をブロンドに染め、日焼けサロンにも通い、「プロレスラーとしての自分」をシッカリ見せるための努力を怠りません。
そんな彼に、一緒に試合をする若いレスラー達もちゃんと敬意を表し「戦えて光栄です」と(どんなに悪そうなレスラーでも!)讃える気持ちを忘れません。

こういう所良いですよね〜。
試合でも、小さな会場・・・ホールどころか公民館の1室では?というぐらいの部屋での試合でも、対戦相手と真面目に試合の展開について打合せをします。
そして見ている方が痛くなるようなことでも、試合の盛り上がりのためには自ら、全く躊躇することなくやっちゃいます。
自分で隠し持ったカッターナイフの刃で流血しちゃうなど、プロとしての仕事っぷりに感激を覚えてしまいました。

そんな風に日々真剣に試合や生活をしていたランディ、日頃の無理やステロイドの摂取などがたたり、試合直後に倒れてしまいます。
心臓発作で、もうプロレスのような激しい運動は出来ない、引退しろという医師の勧めに沿い、ランディは引退を決意します。
折しも、もうすぐ「20年ぶりの再試合!」と銘打って企画されたかつてのライバルとの試合の企画が上がっていたのですが、これも仕方なくキャンセル。
プロレスを辞めてしまったら本当に何も残らなくなってしまったランディ。
懇意にしているストリッパー、キャシディにそのことを打ち明けると、「家族がいるなら、家族と一緒にいるのが一番」とアドバイスをもらい、離れて住んでいる娘のことを思い出します・・・。

ランディは老眼鏡に補聴器だし、ちょっと寝たりするときにもゼイゼイ言ってたりしてスッカリおじいちゃん、って感じなのに、プロレスをしているときだけは本当にカッコイイんですよね。
小さい会場での興業も、更に小さい会議室みたいなところでの「サイン会」でも、文句1つ言わずちゃんとお客さんにサービスする姿が、痛々しくも尊敬してしまいます。
自分の生きる道はこれしかない、と悟ってからは更にカッコ良くて、家庭生活も他の何もうまく行かなくても、何か1つあればこんなに輝くことができるんだなと思いました。

ミッキー・ロークは自身も一度どん底まで落ち込んで、この映画で再起を賭けた・・・みたいな所もあったようで、その実体験がこれ以上ないくらいリアリティを出し、そして見た人達を感動させたんだと思います。
この映画は間違いなくミッキー・ロークの代表作になったと思うし、今思えば、オスカー取っても良かったんじゃないかなーと思います。

そしてこの映画を見たら、ちょっとプロレスに対する見方も変わった気がします。
皆プロとして真面目に、いかに観客を喜ばせるエンターテイメントとして試合をするかを真剣に実践しているんだなーと思うと、悪役のレスラーももちろん含めて皆がんばって欲しいと思ってしまいました。
結構命がけの大変なスポーツであるということも改めて実感しました・・・。
観客はレスラー達のプロ意識に敬意を表しつつ、全力で彼らの見せるエンターテイメントを楽しまなきゃね、と思いました。


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コッスン

これ、なんだかジーンときます。
素晴らしい作品です。私にとっては
by コッスン (2009-07-12 18:15) 

トミュウ

> コッスンさま
こんばんわ!nice!とコメントありがとうございます。
ジーンと来ますよね。
普通に生活しているランディの哀愁漂う姿が泣けてきます。
良い作品を見れたと思いました。
by トミュウ (2009-07-12 19:41) 

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