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「カルメン純情す」 を見てきました。 [映画:カ行]

1952年 日本
監督 木下恵介

わたしの大好きな高峰秀子さんの特集上映がありまして、なんとか見たいと思っていた作品の1つを見ることができました。
実はこちらはカルメンシリーズの2作目(1作目はまだ見てない)ですが、その辺はあまり気にしなくても大丈夫な感じでした。

浅草のストリッパー、カルメンの元に、男に捨てられた友人の朱実が子供を連れてやってきます。
アパートに入れてやるものの、子供は泣くし、小さな子供がいては仕事も見つからないってことで、しきりに子供を捨てに行くように薦めます。
そして近くの金持ちそうな家の前に子供を捨てることにしたのですが、朱実はやっぱり自分で育てる!と引き返します。

捨てられた家の若主人、須藤は芸術家気取りでパリ帰りの若者で、自宅のアトリエになんだか分からない芸術作品をたくさん作っています。
彼はもうすぐ議員として出馬する佐竹熊子の娘・千鳥と結婚する予定で、この子供はそのために捨てた女性からの腹いせかと疑っています。
熊子の娘もとっても自由奔放な女性で、お金のために結婚することも知っている彼女はその前に遊び倒そうとしています。

戻って来たカルメンと朱実は須藤と出会い、須藤はカルメンに自分の作品のモデルになるように依頼します。
そんな彼の家に通ううち、ほんのり恋心を抱いてしまったカルメン。
須藤が見に来たストリップショーで、恥ずかしさのあまり服を脱げなくなってしまい、すったもんだを繰り広げたあげく、職場をクビになってしまいます・・・。

この作品、カルメンだけではなく須藤や婚約者の千鳥、更には熊子女史のエピソードがどんどん展開して行って、カルメンもいつのまにか巻き込まれて行く感じがとても楽しいです。
ちょっと頭わるい感じのカルメンちゃん、本当にカワイイんですが、それ以上に熊子女史のインパクトがすごいです。
ヒゲを生やして変な髪型、そして軍国主義的な演説をしたり、スキャンダルを消すために奔走する様子なども強烈です。
勘違いが勘違いを呼んで、結局なんだか分からないけど強引にまとまっちゃった!といったドタバタな展開も結構楽しかったです。

それ以上に印象的だったのは、画面が常に斜めになってるんですね。
普通の演出をちょっと変な印象にするためのテクニックなのか、フランス帰りだった影響なのかは分からないですが、部分によってはちょっと酔いそうなところもあったりするぐらい徹底しています。
現代音楽?といったような奇妙な音楽も相まって、非常に実験的な部分も印象に残った作品でした。

↓こちらのDVD-BOXに収録されているようです。

木下惠介 DVD-BOX 第三集

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  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD



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