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「メーヌ・オセアン」 を見てきました。 [映画:マ行]

1985年 フランス
監督 ジャック・ロジェ

ヌーヴェル・ヴァーグの最重要人物、ゴダールやトリュフォーにも大きな影響を与えたという伝説の監督であるにもかかわらず、日本ではほとんど公開されていなかったそうですね。
今回『ジャック・ロジェのヴァカンス』特集上映で一挙公開ということで、結構前から楽しみにしていました。
これより3本、連続で感想を・・・。公開順とは違いますが、見た順ということで。

この『メーヌ・オセアン』は、製作順としては最後の方の作品で、ジャン・ヴィゴ賞受賞作です。

冒頭、カメラは1人の女性が大急ぎで電車に向かう様子をずっと追い続けます。
ギリギリで乗車した女性、デジャニラはブラジル人で、検札係リュシアンに「コンポステ」が必要と言われても何のことだか全く分かりません。
そこに偶然居合わせた女弁護士が通訳を買って出て、検札係や彼の上司、検札長とひと悶着あった後、2人は一緒に旅することにします。

まず2人の行き先はアンジェ。ここで弁護士は裁判の弁護をする仕事があり、依頼者の漁師プチガと会います。
猟師ならではの荒っぽい気性が災いして裁判は敗訴してしまいましたが、プチガはデジャニラのことをかなり気に入って、2人はプチガの住む島に行く約束をします。

その後戻った彼女達は、また電車でリュシアンと遭遇しました。
リュシアンもデジャニラのことが気になっていて、彼女達が島に行く話を聞いて自分も行くことに。
検札長も誘って船に乗って行き着いた彼らは、デジャニラ達が行く予定と聞いた漁師の集まる店に向かいます。

どんどん皆が集まって来て、最初は微妙な空気だったものの、一杯やったらもうスッカリお友達。
デジャニラを追って来たアメリカ人興行師も唐突に加わり、ピアノとギターに合わせてダンスで盛り上がります・・・!

ストーリーにするとこんな感じで、なんてことはない話なんですが、それぞれのエピソードに登場人物達のキャラクターが非常に良く現れていて本当に楽しいです。
特にプチガは強烈な個性を放っていました!
本当にフランス語?というような早口でなまりのある話し方で何を言ってるのか全然分からないし、突然大声で叫ぶし歌いだすしで大変なんですが、でも本当は超いいヤツで、公務員(国鉄職員)だって同じ労働者だもんね・・・と検札長の話に涙ぐんじゃったりするところとか、最高です。
検札長も最初はちょっと嫌なヤツなんですが、意外に歌がうまかったりプチガに悩みを打ち明けちゃったりとカワイイところがあったりして。

そんな彼らを結びつけたデジャニラは笑顔が明るくて、皆の悩みも解消しちゃうようなおおらかな感じがとっても良かったです。
監督の登場人物に対する暖かい目線がこちらにも伝わって来て、見ている方もとても暖かい気持ちになれました。

カーニバルのような夜が終わって、それぞれの場所に帰って行く・・・というラストも非常に印象的でした。
クスクスどころか爆笑できる位笑えるところも多いし、こんな楽しい映画を見れて本当に良かった〜と思いました。
たくさんの人に見てもらいたいなーと思います、本当に・・・。
DVD出てないですよね?ぜひ発売して欲しいです!

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