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「愛の神、エロス」 を見てきました。 [映画:ア行]

2004年 フランス・イタリア・ルクセンブルグ・アメリカ・中国(長い・・・)

愛とエロスをテーマにし、3人の監督の短編が集められた作品です。
参加しているのはウォン・カーウァイ、スティーブン・ソダーバーグ、ミケランジェロ・アントニオーニ。
それぞれが全く異なるテイストで、まさに個性の競演!といった感じでしょうか。
各作品に視点を移すと・・・。

・ウォン・カーウァイ「The Hand」
「エロスの純愛」がテーマのこの作品。
いやーなんとも切ないですね。
愛する女性が他の男と過ごすための服を作り続ける主人公。
その気持ちを知っていても、応えることは出来ないということを分かっているのでしょうね、娼婦ホアはわざと他の男と電話で話したり、「お仕事中」のところを待たせたりするわけです。
でもだんだんと羽振りが悪くなってきて、体の具合も悪くなってくるんですね。
「痩せてしまったからもう一度採寸して」というホアに、「手が覚えています」と言って体に触れるシーン・・・
もうホアさんも泣いちゃうし、ものすごい切ないんですよね。
多分、この手にすがることが出来たらどれだけいいか・・・みたいな感じかなあと思うんですけど、美しくそして悲しいシーンでした。
もちろんクライマックスもやばいぐらい泣けましたね・・・。

・スティーブン・ソダーバーグ「Equuilibrium」
「エロスの悪戯」がテーマになっています。
現実のモノクロと、夢の中の鮮やかな青が対比されていて綺麗でしたね。
この作品は確かにハダカは出てきますが、あまりセクシャルな感じがせず、コミカルに繰り広げられる会話が面白かったですね。
心理カウンセラーのボディランゲージが最高・・・主人公に夢の話をさせておきつつ、「お茶、お茶」とか「もう少し待ってて」とかの動きが可愛かったですね。
そんな感じでほとんどうわのそらのカウンセラーなのに、微妙に的をついた提案とかが出来ちゃうんですね。それで「なるほどすっきりした」なんて感じになって。
悩み事は誰かに聞いてもらうことで半分ぐらいは解決する・・・と個人的には思っているんですが、やっぱりそういうものなのかなーと思いましたね。
実は最後のオチ、エンドロールまで気づかなかったんですが、これってなにげにロマンチックな話ですねー。

・ミケランジェロ・アントニオーニ「The Dangerous Thread of Things」
「エロスの誘惑」がテーマのこの作品、御年90歳の監督が撮ったとは思えないほどみずみずしいというか、綺麗な作品でしたね。
主人公夫婦は「もう別れるしかない」というほどの冷え切った間柄。気分転換にだかなんだか、車でドライブをしているんですね。
だんなさんの方はちょっと思い出に浸りたい・・・という感じが見えるのですが、奥さんのほうはそれをぴしゃりとシャットダウンします。
もう終わりだと思ったら、女性の方がきっぱりと終わらせられるよな〜なんて妙に納得したり。
この作品は何はともあれ自然の風景ですね。
海や木々、川などがほんとうに美しくて、ぼーっと見入ってしまいました。
そして女性たちも皆美しいですね。主人公夫婦の奥さん、そして2人がレストランで見かける(だんなさんを誘惑する)女性。
その2人がそれぞれ海辺で踊るシーン・・・自然に溶け込むように踊る様子が印象的でしたね。

3作品とも、少し余韻を残すといいますか、「お?」というところで終わるのが印象的でした。
お互いの作品は見ずに撮ったといいますが、カーウァイ、ソダーバーグとも、アントニオーニには多大に影響を受けたということですが、こういったシーンの作り方などに現れるということなんでしょうかね。
とても興味深かったです。


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ピカチュウ

個人的にスティーブン・ソダーバーグ版は、いただけなかった・・・
でも、大好きなウォン・カーワイ監督は、「さすが!」な仕上がりだった。
にしても、チャン・チェン、ホント超イケメンに成長したなぁ。
by ピカチュウ (2005-05-15 19:26) 

トミュウ

>> ピカチュウさま
コメントありがとうございます!
確かに、カーウァイ版には「やられた〜」という感じでした。
チャン・チェンもほんと・・・トニーっぽかったですが、男前でしたねぇ。
by トミュウ (2005-05-15 22:32) 

coco030705

こんばんは。この映画まだ見てないのです。友達が、もひとつだったっていうもんだから。でも、この記事を読んだら俄然見たくなってきました。まだかかってたら、ぜひ見に行きますね。
by coco030705 (2005-05-18 21:08) 

トミュウ

>> ココさま
コメント&nice!ありがとうございます!
もし観られたら、ココさんの感想もぜひ伺いたいです〜。
カーウァイ版は個人的には『2046』を越えてると思うので、カーウァイ好きなら特におススメですよ〜。
by トミュウ (2005-05-18 22:32) 

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