「女が階段を上る時」 を見ました。 [映画:ア行]
1960年 日本
監督 成瀬巳喜男
生誕100周年記念、DVD BOXが発売されましたね。
実はほとんど見たことがなかったのですが、ぴこが購入したため見てみましたよ。
主人公は銀座のバーに勤める雇われマダム。
銀座というと今でもリッチな人たちがやって来て、そこで働く女性達もさぞかしリッチなのだろうと思われますが、映画の中はそうでもない様子。
マダムも、売り上げが少ないとオーナーに嫌味を言われたり、自分の下で働いていた女の子の店にお客さんを取られたり、結構大変な状況です。
ずいぶん前に夫を亡くし、未亡人となっているママ。
なくなった夫に「もう誰にも許さない」と誓い、実際好意を持っている男達にも見向きもしなかったわけですが・・・。
ある時急に倒れ、実家で休むことになるんですが、彼女のお金をたよりにしている母親と兄は、こんな折りにも「お金を工面してくれ」と頼まざるを得ません。
ほとほと疲れていたところに、昔の夫に似ている人から結婚を申し込まれるあたりから、彼女の不幸がまた始まって行くわけです・・・。
怒濤の攻撃と言わんばかりの悲しい事実の連続に、もう見てられない思いでした。
信じれると思った男に裏切られ、本当に好きだと思った人には捨てられ・・・。
それでも生きて行かなければならない・・・痛々しさ満載です。
絵としては、60年のしかもモノクロなのに、すごく綺麗でした。
ま、デジタルリマスターとかいうやつの賜物なのかも知れませんが、それでも当時・・・45年前?で、あれだけのクオリティの映像はすごいと思います。
そして、当時の銀座の様子!
もうどこがどこだか分からない位、違ってたんですね〜。
知っている街の昔の様子って、なんとなく感銘を受けてしまいますね。
さらにさらに、主演の高峰秀子、本当に美しいです!
他の共演者の女性達と比べて抜群の存在感です。
1924年生まれとのことで、撮影当時は・・・30代??全然そんな風に見えません!
すごくつらい話なのに、なんというか貴品のようなものさえただよう作品になっているのは、彼女の存在あってのことだと思います。
美しく歳をとりたいものです・・・。
そしてまた、逆境にも負けず強く生きて行くママの姿に、励まされたような気がします。
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