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「マッチポイント」 を見て来ました。 [映画:マ行]

2005年 イギリス
監督 ウディ・アレン

イギリス・・・!
『さよなら、さよならハリウッド』『メリンダとメリンダ』の後、アレン監督のイギリス第1作です。
BBCFilmsと冒頭に出るのが、ああほんとうにイギリスなんだなあと思ったり。

「人生はネットの上のボールのよう。どっちに落ちるかは分からない」と始まるこの映画、主人公クリスは元プロのテニスコーチです。
テニスを鴛えることになった大企業の息子、トムと仲良くなり、一緒にオペラを見に行ったり家に遊びに行くうちに彼の妹クロエに惚れられて、つきあい始めることになります。
あるとき、クリスはトムのフィアンセノラのセクシーな魅力にだんだん取り付かれて行きます・・・。

あまり英語がよく分かる訳ではないのですが、トムやクロエの「イギリス英語」っぽいところにちょっと感動を覚えました。
あえてそうしてるんだろうなあという感じ。出演俳優陣も、ノラ役のスカーレット・ヨハンソン以外はほぼヨーロッパ生まれ。徹底しています。

クロエと結婚し、彼の父親の会社に重要ポストで入社し、「子供が欲しい」と迫られるプレッシャーを感じながらも、クリスはそれなりに充実したサクセス人生を送っていきます。

ただし、トムがノラと別れたという話を聞いてからはちょっと風向きが変わって行きます。
ノラの居所を探し出し、ヒマを見つけては彼女に会いに行き、夢中で抱き合う。「本当にクロエと別れてくれるの」と迫るノラをなだめながら、時々は危ない橋をわたりながらもなんとかやりくり?しています。
いや〜、なんだか生々しいというか。ヨハンソンのセクシーバディのことではなく、クロエと一緒の時に電話がかかってきたり、友達に「この間見たよ」と言われて必死に否定したりと、フタマタって大変ね〜なんて思いながら見ていました。
いつボロを出すのかな・・・とハラハラしたりもしましたが、結局は今の地位も手放したくはないという、わがまま言うなよって感じですよね。

そして、ノラに子供が出来たと知らされます。
「生む」「おろせ」と大騒ぎになってしばらく後に、そこでクリスはある決意を・・・と、この辺からはサスペンスタッチですね。
ちょっとこだわり派で饒舌な刑事もなかなかいい味を出しています。
最後に笑ったのは、結局・・・・という部分を考えるとなかなか深いですね。
わたしは、自分の手を汚すこともなく、欲しい物を全て手に入れた「彼女」が最も美味しい思いをしたんだろうなと思っています。

ところどころで出てくるイギリスの町並みなどの映像もなかなかキレイでした。
これまでマンハッタンを本当に美しく撮ったアレン監督の「らしさ」がこういう部分にも見えて、嬉しくなりました。


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coco030705

おはようございます。
ウディ・アレン、イギリスを美しく撮ってましたね。
やっぱり色々な面で才能溢れる人なんでしょう。
>自分の手を汚すこともなく、欲しい物を全て手に入れた「彼女」が最も美味しい思いをしたんだろうな
なるほど。最後にクロエが「次は女の子よ!」といっていた表情が、もう良家の
子女じゃなく、完全なる母親の顔になっていたのが印象に残っています。
クロエは本当は全部知ってた?なんて、またまた新しい解釈が浮かびますね。おもしろい映画でした。
by coco030705 (2006-09-14 08:46) 

トミュウ

> ココさま
nice!&コメントありがとうございます。
> クロエは本当は全部知ってた?なんて、またまた新しい解釈が浮かびますね。
わお〜、だとしたらすごいですね。クリスが取る行動も「読んでいた」としたら・・・!
完全に「良かったね」じゃないところが、サスペンス風味をさらに上げているように思いました。
by トミュウ (2006-09-15 01:02) 

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