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シネマの記憶喪失 [本]

阿部和重+中原昌也 著
文芸春秋

阿部和重氏と中原昌也氏、2人とも好きな作家です。
シネフィルとしても有名なお二方の対談、「文學界」での連載をギュギュッとまとめた単行本です。
スピルバーグからウディ・アレン、そしてジョージ・A・ロメロから北野武まで・・・彼らならではのセレクションと、超シネフィル的視点&おもしろ話で読みどころ満載でした。

2人の「良い」という評価に結構影響されやすいこともあって、この本で言及されていた映画の約半分ぐらいは見ていました。読んでから見た映画もあったりします。
内容が分かって読むと、2人が言っていることもイメージしやすくていいですね。
でもわたしがぽんやり〜と見ていた部分などについて、自分では思いもよらない解釈がされていたり、他の映画との詳細な比較検証などがされていたり、本当にものすごく「深い」です。
「このシーンはなになにのこの部分へのオマージュだよね」なんていうことが即座に思い起こされるほど、たくさんの映画を見て、しかもシッカリ覚えているのには尊敬です。
見たことさえも忘れてしまう自分、なんて中途半端に見ているんだ〜!と反省したくなるほどです。

作品によって時々ゲストが登場するのですが、これまた好きな方々なんですよね。
特に蓮見重彦氏と青山真治監督が登場する率が高いのですが・・・なごやかでありながら奥深い話がされているのが本当にすごいと思います。
4人が登場の回でスピルバーグの映画について、『ターミナル』からスピルバーグは女性の描き方が非常に良くなってきた、という話があって、そう言われてみれば本当だ〜!と感動しました。

冗談を交えつつ進んでいく会話も面白いですし、いろいろな発見がありました。
ここまで全面的に信頼しちゃっていいの〜?というくらい、ここで紹介されている映画を見たくなってしまうのは仕方がないかなって気がします。
欲をいえば、まえがき、あとがきみたいな形でも良いから、総括的なものがあったらもっと面白かっただろうにと思うんですが・・・。
スケジュールとかも大変なのかもだし、難しいのかな。
今は、連載は中原氏+ゲストの対談という形で続いているみたいですね。こちらの方も楽しみです。


シネマの記憶喪失

シネマの記憶喪失

  • 作者: 阿部 和重, 中原 昌也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 単行本


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コメント 2

coco030705

おはようございます。
この本、とてもおもしろそうですね。
トミュウさんとは、映画の趣味が合うところが多いので、
ぜひ読もうと思って、先ほどアマゾンで注文しちゃいました。(^^)
また読んだら感想をおしらせしますネ。
by coco030705 (2007-04-05 11:07) 

トミュウ

> ココさま
nice!とコメントありがとうございます!
きっと、ココさんも「これ見た!」という映画多いと思いますよ〜。
時々酷評もあったりしますが(^^)
読んだらぜひ感想聞かせてください〜!
by トミュウ (2007-04-05 22:38) 

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