「今宵、フィッツジェラルド劇場で」 を見てきました。

2006年　アメリカ
監督　ロバート・アルトマン

アカデミー賞の名誉賞を受賞した巨匠の最新作ですね。
実はアルトマンも、気になってはいるけれどあんまり見たことがない監督の１人でした。

舞台は生放送のラジオ公開録音をしている劇場。
長年続いた番組が最終回を迎えることになり、司会者と出演者それぞれの様子が描かれていきます。
劇場の警備員をしている男、ガイ・ノワールも食事を終えて、仕事場に戻って行きます。
こういうシーン本当に大好きです！ステージが始まる前の楽屋のごちゃごちゃした感じとか、登場人物が思い思いの話をしながら準備をしている様子が流れるように撮られているのに感動しました。
そして、直前までステージ幕の裏で話をしていても、幕が開いて曲がかかった瞬間、何事もなかったかのように歌い始める出演者たちに「プロだなー」とちょっと感心したり、こういう細かい部分もとても良いです。

時々小ネタがあるのが良いですよね。ガイ・ノワールの変な手の動きとか、面白かったです。
また、ラジオの場合どれもそうなのかも知れませんが、録音中にステージの上を誰かが横切ったりしているところなども、地味にいいですよねぇ。
またまた、途中で出演者達が生で歌うCMも面白かったです。これは元になった番組にもあるということで、しかもウソCM・・・！
「心の傷は直せないかもしれないけど、ドアの補修はダクト・テープで」とか・・・！ウソCMであるというのは後で知ったんですが、面白いです。

この劇場を買収し、番組を終了に追いやった人物が登場します。
それとまた、この番組がとても好きだったと語る、白いトレンチコートを来た謎の女性。
ただ公開録音の様子をノスタルジックに描くのではなく、ちゃんと「何かが起きる」ところがまた良くて、いったいどうなるんだろうと目が離せませんでした。

この作品はロバート・アルトマンの遺作になりました。
ここで描かれる「最後」ということに、何となく監督自身の気持ちもあったのかと思うと泣けてきます。
でも、郷愁とか哀愁に訴えるだけではなく、「楽しい」というのが本当にいいなあと思いました。
これを公開時に見ることができて良かったと思うと同時に、これまでの作品を見逃していたことをとても残念だと思いました。
でも、作品はずっと残るんですもんね。気になる作品はたくさんあるので、これから見てみようと思います。

主演のメリル・ストリープも良かったです。
歌うまいし、チャーミングですね。娘の様子を見て大喜びするところがすごく可愛くて、こういう風に歳をとっていきたいなあと思いました。

コメント 4

こんばんは。
アルトマンは次回作の準備をしていたって話ですが、事実上、この作品が最後になるかもしれない・・・という想いはあったと思います。そして彼の映画監督としての幕引きに、最も相応しいといえる一作となったこと、感慨深く感じています。
CMは面白かったですね。楽しく、幕を閉じた所も良かったです。
私もはやくレビューを書きたいです！
by クリス (2007-04-15 00:15) 

> 蟻銀さま
こんばんは！
nice！とコメントありがとうございます！
そうですね、最後にこんな素敵な作品を残してくれたことに、感謝したい気持ちです。
蟻銀さんのレビューも楽しみです。ちょくちょくのぞきに行きますね。
by トミュウ (2007-04-15 18:39) 

こんにちは。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか。
私は仕事や人が来たりして、バタバタと日を送っています。
ゴールデンウィークが終わらないと、なんとなく落ち着きません。（＾＾）
ところで。いい映画でしたね～。
トミュウさんは細かく見てらして、感心しました。
皆が演技してるぞ～って感じじゃなく、自然な感じがとてもよかったですよね。
TBさせていただきます。
by coco030705 (2007-05-01 15:55) 

> ココさま
こんばんは！
コメント、TBとnice！までありがとうございます！
ゴールデンウィークですねぇ。お仕事なんですか、大変そうですね。
前半はちょっとお出かけするぐらいで終了してしまいました（- -)
この映画は、本当見て良かったと思える映画の１つでした。
こちらからもTBしに伺いますね！
by トミュウ (2007-05-02 00:18)