SSブログ

「エルミタージュ幻想」 を見てきました。 [映画:ア行]

2002年 ロシア・ドイツ・日本
監督 アレクサンドル・ソクーロフ

ソクーロフ監督といえば、前作昭和天皇を描いた『太陽』が異例のヒットになりましたね。
最新作の公開を記念した特集上映があり、そこで見ることが出来ました。

この作品については名前くらいしか知らなかったのですが、パンフレットの「90分ワンカット」に衝撃を受けてぜひ見たい!と思ったのでした。
どんな映画でも長回しのシーンがあると嬉しくなっちゃうんですが、最初から最後までの「長回しの究極形」・・・いったいどんな世界が開けているのかと思いますよね!

エルミタージュ美術館には、華やかでゴージャスなドレスをまとった人々が続々とやってきています。
今日行われる・・・そして映画の中ではクライマックスになる舞踏会のためです。
そんな中、黒いトレンチコートを着た男がするりと彼らの間を抜けて入ってきます。
「天の声」これはソクーロフ自身ですが、と会話をしながら美術館をめぐって行きます・・・。

カメラはこの男を追うように進んでいくんですが、たとえば何かに邪魔されたりとか、男の姿が隠れたりとかするのもそのまま映っていて面白いです。
時には早く、時にはゆっくりと流れるカメラには本当に感激しかりです。
レールなんて映ってないのになぁ・・・と不思議に思いながら見ていたのですが、後でパンフレットで「手持ち」だと知って驚きました。
カメラマンは何とか賞を取ったくらいの人だそうですが、本当にものすごい技術と体力・・・!

美術館の絵や彫刻もいろいろ紹介されていて、そういった部分も見所満載です。
黒服の男と一緒に歩きながら見ているような感じがして、とても良いです。

そして映画では、エルミタージュ美術館の歴史までもが再現されているんですね!
最初の演劇用ホールでは恰幅のいい女性が登場・・・なんと彼女はエカテリーナ大帝。
後半広いホールにやってくると、戴冠式のような催しが行われていて・・・これはニコライ1世だったりと、時代を超えたそれこそエルミタージュの全てを見ている感じ、更にそれがアトラクションっぽくて面白いんですよね。

そして最後は大舞踏会!
オーケストラを指揮していた指揮者が本当に楽しそうに振っているのが印象的でした。

実は少しだら〜っとしてしまった部分もあったのですが、後半からクライマックスへ盛り上がってくるにつれて、見ている方もボルテージ上がりました。
これだけのものをワンカットで撮影するには、相当な準備やリハーサルがあったと思いますが、だからこそ達成感のようなものは大きかったと思います。
なんとなく、ラストの方はそういう気分が見え隠れするような気がします。

ソクーロフの映画は他とはちょっと違うような気がしていて、本当に興味深いです。

他の作品・・・既に公開されているレーニンの映画も見ました(感想は後ほど)し、以前の映画もぜひチェックしたいと思います。


エルミタージュ幻想

エルミタージュ幻想

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。