「ブラックホーク・ダウン」 を見ました。

2001年　アメリカ
監督　リドリー・スコット

弟のトニー・スコット監督もそうですが、いろいろな作品を精力的に作るイメージのあるリドリー・スコット監督。
そんなリドリー監督の、実際に起きた戦争を題材にした作品です。

1993年、ソマリアの内戦を収束させるため、アメリカ軍は和平に反対するアディード政権を強襲するための特殊部隊を送り込むことにします。
計画通りに実行すれば１時間程度で終わるはずだったこの作戦ですが、民兵の攻撃によりアメリカ軍のヘリコプター「ブラックホーク」が２機撃墜されるという大惨事に。
２機に乗っていた仲間の救出のため、兵士達は民兵の銃弾が次々と襲いかかる中、ブラックホークの墜落現場を目指します。

登場人物の紹介もそこそこにいきなり作戦が開始され、そこから先は終わりの見えない戦闘シーンが続きます。
特定の主人公がいる訳でもなく、皆服装も髪型も似たような感じなので、誰が誰だか良く分からない状態のまま見続けてしまった感じです。

しかしその「なんだか良く分からない」という状態こそが、本当にリアルな戦争なんだろうなーと思えて来ます。
実際、事前に地図などで情報を得るものの、戦闘に参加する兵士達は、自分が今どの位置にいるのか・・・などはあんまり分かっていないだろうし、しかも銃撃とそこから上がる煙などで満足に前も見えない状態だったりします。
その中で号令がかかれば撃つ、「RPG！」と敵のミサイルが来た、という声がすれば必死に逃げる。
周りの兵士達も次々と負傷し命を落とし、更には目的地も全然見えてこない・・・と、絶望的とも思えるような状況がずっと続くんですよね。

結局、史実の通りアメリカは撤退を余儀なくされる訳ですが・・・。
見終わった後グッタリするし、なんだったんだろうという疲労感だけが残ります。

しかし、結局監督が描きたかったのもそこなのかなと思ったりします。
戦争によって残るもの、得られるものなんてない、残るのは疲弊した軍隊と死体の山だけではないか、というメッセージが、淡々と描くことでより際立っていると思います。
兵士達も民兵も、そして住人達もこんな思いをしなくてはいけない戦争は、この世から少しでも早くなくなってくれれば良いと思いますし、そういうことをリアルに感じることができた作品でした。

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• 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
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