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「コロンブス 永遠の海」 を見てきました。 [映画:カ行]

2007年 ポルトガル=フランス
監督 マノエル・ド・オリヴェイラ

現役最高齢のオリヴェイラ監督の2007年の作品です。

アメリカ大陸を発見したコロンブスは、ポルトガル人であったという説とスペイン人であったという説があるとのことです。
この映画の主人公でもある医師マヌエルは、コロンブスがポルトガル人であったという自分の仮説を照明するため、コロンブスのルーツをたどる旅をします。

ポルトで結婚した彼は、妻シルヴィアと新婚旅行でコロンブスの生地と考えている場所に赴きます。
古い教会や遺跡などを訪ね、いろいろな人に聞き込みをしてみるのですが、なかなか有力な手がかりを得ることは出来ません。
それでも2人はいろいろな話をしながら、ゆっくりと丁寧にそれらの建物を見て回ります・・・。

それから47年後の2007年、すっかりおじいさんおばあさんになったマヌエルとシルヴィアは、ニューヨークのコロンバスサークルでコロンブスの石像を見ています。
こういったモニュメントがなぜ自分の祖国ポルトガルにはないのだ・・・と失望するマヌエルは、その後のアメリカ、ポルトガルと自分達が重ねて来た月日のことをいろいろと思う訳です。

自分はあまり世界史に詳しくなくて、コロンブスがアメリカ大陸を発見した時代のことなどは本当に大雑把なことしか知らなくて、そのためにマヌエル達の話にちょっと置いて行かれる所もありました・・・。
ちょっとその点は反省ですが、でもいろいろな所を旅して、いろいろな話をする夫婦のマヌエルとシルヴィアの姿が非常に温かさに溢れていて、とてもほんのりした気分になります。

そして約四半世紀後もそのままの2人で、お互いを本当に大事に思っているという様子がとても良いですね〜。
歴史云々というよりも、結婚生活は長い旅のようなものなのかも知れない・・・と、そういう思いに心が熱くなりました。

ポルトガルの都市や海の映像は本当に美しくて、それだけでも本当に見て良かったと思える作品です。
そして当時100歳に差し掛かろうとしていたオリヴェイラ本人と奥さん本人が登場しているのも非常に興味深いです。
なので、どこまでがフィクションなのかの境界が非常にあいまいで、半ばドキュメンタリー作品を見ているような気分になるのも、この作品の良い所だと思います。

それにしてもオリヴェイラ監督もマリア・イザベル夫人も、実際のお歳からは想像もつかないほど若々しく、シッカリしています!
更には、若い頃のマヌエルはオリヴェイラ監督の実のお孫さんだそうで・・・!なかなか雰囲気のある良い俳優さんでした。
何となくこういう家族的な温かさがあるのも良いですね。

オリヴェイラ監督、この作品の後にもまだまだ年1本という素晴らしいペースで作品作られています。
2010年のカンヌ映画祭にも登場して、お元気な姿を見せてくれたようですね。
日本公開予定の作品もあるみたいで楽しみです。
オリヴェイラ監督の今後の作品も、そして昔の作品も見たい作品がたくさんあるので、これからもしっかりついて行きます!

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coco030705

こんばんは。
マノエル・ド・オリヴェイラ監督の作品は「永遠(とわ)の語らい」しか見ていませんが、まるで観光旅行のような外国の風景がとても美しかったです。
それに、カトリーヌ・ドヌーヴはじめ色々な名優が出演し、最後はえっと驚く締めくくりでした。
この作品も見たいと思っていますが、大阪は6月末からになります。みたらレビューをアップしま~す。
これからも過去の作品を掘り起こしてみたいですね。
by coco030705 (2010-06-01 21:19) 

トミュウ

> ココさん
こんばんは!nice!とコメントありがとうございます!
「永遠の語らい」の風景もとても綺麗でしたよね〜。
この作品の映像も劣らず素敵ですよ!
大阪はもう少し先なんですね。是非感想聞かせて下さい!
by トミュウ (2010-06-05 22:04) 

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