「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」 を見てきました。 [映画：タ行]
2009年 フランス＝香港
監督 ジョニー・トー
『エグザイル／絆』などですっかり魅了されてしまったジョニー・トー監督の最新作、こちらはフランスとの合作です。
こちらもなかなか邦題がカッコいいですね〜、そしてフランスの名歌手ジョニー・アリディの出演というのも気になっていました。
マカオに住むフランス人女性とその家族が、ある日突然何者かに襲われました。
主人と子供たちは全員死亡、女性も重傷を負ってしまい、女性の父親、フランシス・コステロがその知らせを受けてフランスからマカオにやってきます。
病院に駆けつけたコステロは、全身に包帯を巻かれた娘から、襲って来たのは見知らぬ３人組の男で、そのうち１人の耳を銃で打ち抜いたこと、そして家族の仇を討って欲しいと言われます。
コステロが滞在するホテルに、３人組の殺し屋がやってきました。
組織のボスから仕事を受け、このホテルに滞在している男女を始末した３人は、ちょうど部屋を出た所でコステロに出くわします。
それがきっかけで３人組に仕事を頼むことにしたコステロ。
彼らは家族が襲われた現場に行き、コステロの手料理を皆で食べ、銃の腕を競い合い・・・次第に友情のような絆が生まれてくるのでした。
期待を裏切らず、オッサン４人が「男子」のようにはしゃぎ合う様子が非常に楽しいですね〜。
特に自転車を撃って走らせるシーンとか、ラム・シュ演じるフェイロクの寝ている所にピーナツ投げたりとか、微笑ましいシーンがたくさんです。
そしてこの作品はコステロがある一定の期間しか記憶が持たない病気であるという設定が、非常にいろいろな所でキーになってきます。
コステロが３人組の写真を撮って、それぞれに彼らの名前を書き込んだり、コステロの持つ銃に黒幕の名前を書いておいたり、そういう部分が後々に生きてくるんですけど、その生かし方が非常にカッコ良いです。
雨の中でコステロが写真を手に迷うシーンも最高ですね〜。
銃撃戦のシーンも楽しいです。
月明かりの森の中・・・スクラップ場の広場・・・なんだかいろんなものが飛び交って、銃撃戦のスリルだけではなく、バラエティに富んでいて見ていて楽しい！と思える場面がたくさんあります。
他の作品でも、布がたくさんかかっている狭い部屋とか、ビルとビルの間の縦の高さを生かしたシーンとか、本当にいろいろなアイディアが出て来て本当すごいと思います。
全体に漂う「男の美学」とか「復讐の美学」といった、ある種様式美とも言えるような高揚感に満ちています。
次第に記憶をなくして行くコステロは、きっとこのまま過ごしていれば復讐のことも忘れ、それなりに穏やかに過ごすこともできるはずなんだけど・・・でも「約束」したから、俺は行く。
な〜んて言ってのけるアンソニー・ウォン（が演じるクワイ）、最高っす。
トー監督の香港ノワール、『ザ・ミッション／非常の掟』『エグザイル／絆』に続く３部作の完結編と呼ぶにふさわしい素敵な作品だったと思います。
３つはどの作品も素晴らしいですが、やはり毎回パワーアップしていて期待を裏切らない作品になっていますね。
特に、ノワールムービーの本家とも言えるフランスとの融合を果たしたこの作品は、フランス映画ファンでも結構グッと来る部分があるんじゃないかと思います。
次回は少し趣向を変えた作品を作るかも、という話ですね。
トー監督ってコメディも社会派な作品もいろいろ作る多作な人だそうで、その中で日本公開されているのは結構限られているらしいということを知りました。
過去作品も、もっといろいろな作品が見れるようになるといいなーという期待を込めつつ、次回作にも当然期待します！
![冷たい雨に撃て、約束の銃弾を [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51CAhdKsq3L._SL160_.jpg "冷たい雨に撃て、約束の銃弾を [DVD]")
監督 ジョニー・トー
『エグザイル／絆』などですっかり魅了されてしまったジョニー・トー監督の最新作、こちらはフランスとの合作です。
こちらもなかなか邦題がカッコいいですね〜、そしてフランスの名歌手ジョニー・アリディの出演というのも気になっていました。
マカオに住むフランス人女性とその家族が、ある日突然何者かに襲われました。
主人と子供たちは全員死亡、女性も重傷を負ってしまい、女性の父親、フランシス・コステロがその知らせを受けてフランスからマカオにやってきます。
病院に駆けつけたコステロは、全身に包帯を巻かれた娘から、襲って来たのは見知らぬ３人組の男で、そのうち１人の耳を銃で打ち抜いたこと、そして家族の仇を討って欲しいと言われます。
コステロが滞在するホテルに、３人組の殺し屋がやってきました。
組織のボスから仕事を受け、このホテルに滞在している男女を始末した３人は、ちょうど部屋を出た所でコステロに出くわします。
それがきっかけで３人組に仕事を頼むことにしたコステロ。
彼らは家族が襲われた現場に行き、コステロの手料理を皆で食べ、銃の腕を競い合い・・・次第に友情のような絆が生まれてくるのでした。
期待を裏切らず、オッサン４人が「男子」のようにはしゃぎ合う様子が非常に楽しいですね〜。
特に自転車を撃って走らせるシーンとか、ラム・シュ演じるフェイロクの寝ている所にピーナツ投げたりとか、微笑ましいシーンがたくさんです。
そしてこの作品はコステロがある一定の期間しか記憶が持たない病気であるという設定が、非常にいろいろな所でキーになってきます。
コステロが３人組の写真を撮って、それぞれに彼らの名前を書き込んだり、コステロの持つ銃に黒幕の名前を書いておいたり、そういう部分が後々に生きてくるんですけど、その生かし方が非常にカッコ良いです。
雨の中でコステロが写真を手に迷うシーンも最高ですね〜。
銃撃戦のシーンも楽しいです。
月明かりの森の中・・・スクラップ場の広場・・・なんだかいろんなものが飛び交って、銃撃戦のスリルだけではなく、バラエティに富んでいて見ていて楽しい！と思える場面がたくさんあります。
他の作品でも、布がたくさんかかっている狭い部屋とか、ビルとビルの間の縦の高さを生かしたシーンとか、本当にいろいろなアイディアが出て来て本当すごいと思います。
全体に漂う「男の美学」とか「復讐の美学」といった、ある種様式美とも言えるような高揚感に満ちています。
次第に記憶をなくして行くコステロは、きっとこのまま過ごしていれば復讐のことも忘れ、それなりに穏やかに過ごすこともできるはずなんだけど・・・でも「約束」したから、俺は行く。
な〜んて言ってのけるアンソニー・ウォン（が演じるクワイ）、最高っす。
トー監督の香港ノワール、『ザ・ミッション／非常の掟』『エグザイル／絆』に続く３部作の完結編と呼ぶにふさわしい素敵な作品だったと思います。
３つはどの作品も素晴らしいですが、やはり毎回パワーアップしていて期待を裏切らない作品になっていますね。
特に、ノワールムービーの本家とも言えるフランスとの融合を果たしたこの作品は、フランス映画ファンでも結構グッと来る部分があるんじゃないかと思います。
次回は少し趣向を変えた作品を作るかも、という話ですね。
トー監督ってコメディも社会派な作品もいろいろ作る多作な人だそうで、その中で日本公開されているのは結構限られているらしいということを知りました。
過去作品も、もっといろいろな作品が見れるようになるといいなーという期待を込めつつ、次回作にも当然期待します！
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: DVD
トミュウさんはじめまして。
拙き感想文など書いているたんたんたぬきと申します。
表題作品の検索を辿って参りました。
限られた上映館なので、ブログ記事も少ないですが、すてきなレビュー拝見させていただきました。
言葉無き会話をする男たちがかっこいいですね。
オヤジもシビれました。
これからもよろしくお願いいたします。
by たんたんたぬき (2010-06-27 18:49)
> たんたんたぬき さま
初めまして！nice！とコメントありがとうございます！
確かにこの作品上映館少ないんですよね、こんなに面白いのに残念です。
言葉がなくても心で友になれる・・・という男の美学！
カッコいいですよね！
こちらこそよろしくお願いします！
たんたんたぬきさんのブログにもちょくちょくおジャマさせて頂きますね。
by トミュウ (2010-06-27 21:02)
こんばんは。
この作品、タイトルがいいので観にいきたいと思いつつ、まだ行ってません。トミュウさんのレビューを読んでぜひ行きたいと思いました。まだ大阪でやっているか調べてみますね。
by coco030705 (2010-06-28 22:41)
> ココさん
こんばんは！nice！とコメントありがとうございます！
タイトルいいですよね〜、元々の題はもっとシンプルな単語
だったような気がするので、邦題グッジョブ！って感じです。
映画も良いですよ、もし大阪でやっていたら是非見てみて下さい〜。
by トミュウ (2010-07-03 18:14)