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「告白」を見てきました。　[映画：カ行] [編集]

2010年　日本
監督　中島哲也

2009年の本屋大賞を獲得した湊かなえの原作を、『嫌われ松子の一生』などの中島監督が映画化！ということで、公開以来異例の大ヒットを飛ばしている作品ですね〜。
それ以外の情報はあまりない状態でフラリと観に行きました。

雑然とした中学校の教室、ホームルームの時間。
教壇に立っている教師、森口悠子は、数ヶ月前に彼女の娘がこの学校のプールで死亡した事件について語り始めました・・・。
はじめはざわざわしていた生徒達も、森口の話が進むに連れて次第にシーンとして行きます。
その内容は、娘はこのクラスの生徒に殺されたということ、そして、犯人の生徒２人に対して復讐をするという話でした・・・。

森口が学校を辞め、新しい担任教師がやってきました。
彼は尊敬する先生のが書いた著書の教えに従い、典型的な熱血教師として空回りするくらい張り切っています。
復讐の話にショックを受け、不登校になってしまっている犯人生徒の１人に対し、自分がなんとかしなければとばかりに家庭訪問を繰り返す彼に、母親は当惑するばかり。

不登校生徒の母親、そしてもう１人の犯人と、順々に語り手が変わって行き、その事件のことを語りだし、少しずつ実際には何が起こったのか？ということが明らかになって行くのはなかなか面白かったです。
語りが長いし、基本過去のことを思い出すっていう形になっているので、なかなか映像にするのは大変かもなぁ〜という印象でしたが、その辺もいい感じに作られていて悪くなかったと思います。

自分は中学を卒業してから本当に大分経ってしまっていますが、個人的なことを思い出してみても、なんとなく中学時代って危ういというか、妙な時期だったな〜と思うんですよね。
そういう危ういバランスの中で、思わず・・・というか、なんとなく大げさに考えることなく犯罪とか、いじめとかを肯定してしまう独特の空気がやけにリアリティありました。

俳優陣は皆本当に素晴らしい演技を見せてくれたと思います！
無表情で淡々と、でもふつふつと心に復讐心を秘めたような森口先生を演じた松たか子は言うまでもなく。
犯人の母親役の木村佳乃の、息子のことを大事に思うあまりにおかしな方向になって行く・・・という凄まじい雰囲気もすごかったです。
新任教師の岡田将生も、熱さが逆に不幸な結果をもたらしているのに全く気づいていない、少しイタい役柄を好演していました。
生徒達も変にわざとらしい感じもなく良かったですね。

中島監督の他の作品はテレビで放映した時位しか見たことがないんですが、カラフルでポップなイメージがありました。
今作品ではそういうカラフルさを極限まで抑えて、でもスローモーション多めとか、そういう効果は大分ポップな感じになっていて、ストーリー的にはすごく息苦しくなるような雰囲気のこの作品を「楽しめる」領域に持って行った所が良かったと思います。
壮絶なのにファンタジーのようなクライマックスもすごかったですし、いろいろと印象に残る作品でした。

告白【ＤＶＤ特別価格版】 [DVD]

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↓こちらは原作本

告白 (双葉文庫) (双葉文庫み 21-1)

作者: 湊かなえ
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メディア: 文庫

2010-06-27 20:02 nice!(3) コメント(5) トラックバック(1)

nice! 3

トミュウさん、こちらにもお邪魔しました。
子役達の憎まれ役作り見事ですが、女優二人があまりに圧倒的なので、比べてしまうのが少しかわいそうなくらいです。
>今作品ではそういうカラフルさを極限まで抑えて、でもスローモーション多めとか、そういう効果は大分ポップな感じになっていて、ストーリー的にはすごく息苦しくなるような雰囲気のこの作品を「楽しめる」領域に持って行った所が良かったと思います。
映像作りはまさにおっしゃるとおりの印象ですね。
邦画の歴史に刻まれる作品だと思います。

by たんたんたぬき (2010-06-27 21:54)