「東風」 を見ました。 [映画:タ行]
1969年 フランス=イタリア
監督 ジャン・リュック・ゴダール
日本でも激動の年であった(と思われる)1968年。
フランスでも5月革命が起き、それを受けて組織された「ジガ・ヴェルトフ 集団」の作品です。
(実は監督クレジットはジガ・ヴェルトフ 集団になっています)
正直ゴダールには明るくなくて、どちらかといえば「難解でない」作品ばかり見ているように思いますが、
あまり分かっていないのに分かったフリをして書くのもなんなので、正直に書きます。
まず圧倒されるのは、初めから終わりまでほとんど休み無しのモノローグ。
それは主に労働者の資本家、または体制への抵抗の歴史?といったものです。
映像は一見その内容にほとんど関連がないように見えます。
・・・よーく考えればあるんだろうとは思いますが、自分にはそこまで判断できず・・・。
しかしその映像の美しさと斬新さは見事です。
手書きの赤い字・青い字で書かれたチャプターやその他のメッセージ。
スターリンと毛沢東のポスター(時にはスターリンの顔はマジックで塗られている)のカットの繰り返し。
そして登場人物がしばしばかぶる(?)赤い塗料・・・もちろん「血」や「赤」を表していると思いますが。
画面いっぱいに引っかき傷が施された「広場での映像」と「赤一色の画面」が交互に現れるシーンなんて・・・多分劇場で見たらめまいを起こしていたに違いないですね。
とにかく全編が直接のメッセージである、という内容にはほんと、圧倒されました。
そして色使いの鮮やかさですね。
草木の緑の中に赤が非常に良く映え、登場人物の顔や手、服が真っ赤に染まっていたりする所は綺麗だったりします。
自分の少ないアタマでは分かるところは少しでしたが、まあこれだけの熱いものを持っていて、作品に出来るゴダールのすごさには本当、感服といった感じです。
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