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「息子のまなざし」 を見ました。 [映画:マ行]

2002年 ベルギー=フランス
監督 ジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ

前作『ロゼッタ』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞した、ダルデンヌ兄弟の2002年作品です。
気になりつつ、公開時には見逃してしまったのですが、やっと見ることが出来ました。

主人公オリヴィエはある職業訓練校で「木工」の講師をしています。
そこでは少年院を出所した青少年達が社会復帰のための業務訓練などをしているわけですが、オリヴィエはある日入ってきた新入生フランシスをわざわざ自分の担当のクラスに入れます。
帰る様子をじーっと見ていたり、家まで送ったりと、なにかと気にかける主人公。
どうしてそこまで気にかけるのかな?という答えは、元妻が登場することにより明らかになります。
フランシスは彼と元妻の子供を殺した犯人!だったんですね。
自分のクラスに入れてまで面倒を見る主人公に対し、元妻は「全く理解できない」と怒ります。

正直、奥さんの気持ちの方が至極もっとも!って感じなんですよねぇ〜。
確かに、故意ではなかったと後で明らかになるのですが、だからといって復讐さえ考える母親の気持ちがおさまるとは到底思えません。
結局ストーカー的行為までしちゃう?オリヴィエの意図は最後まで語られません。
この辺は同じように考えることができる人なら、分かるんでしょうかね。

そんなことは知らないフランシスは、オリヴィエに少しずつ心を許していきます。
このあたりになると、フランシスは真実を知るのか?オリヴィエは話すのか?ということが気になってきます・・・。
よくある和解→感動モノみたいにはならないで欲しいなあと思っていたら、クライマックスは意外なところでやってきました。
大仰に盛り上げる訳でもなく、「ここで終わるのか!」といったラストシーン、良かったと思います。

この映画、ハンドカメラを使ってとにかく主人公に「寄る」ショットが多いんですね。
特に後方から背中を見る時間がすごく長いです。全体の半分以上は、画面のどこかしらにオリヴィエが映っている・・・といった感じです。
彼が走れば一緒に走る、自動車に乗れば後部座席にいる・・・。大画面で前の方で見ていたら少々酔うかも知れません。
また、全編を通して音楽が全くありません。あるのは作業をする音や車のモーター音など、普通に聞こえてくる音ばかりなんですね。
そのためか、見ている方にはやたらリアリティを感じさせます。
自分がオリヴィエの後ろに立って見ているような感覚を覚えます。
これは誰かの「目」なのか・・・と考えるとついタイトル(しかも邦題)に行き着いてしまいそうですが、それだとちょっと安直かな〜なんて思ったりしたのでした。

息子のまなざし

息子のまなざし

  • 出版社/メーカー: ビデオメーカー
  • 発売日: 2004/05/28
  • メディア: DVD


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