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「サンライズ」 を見ました。 [映画:サ行]

1928年 アメリカ
監督 F・W・ムルナウ

サイレント映画の巨匠といわれるムルナウがハリウッドで撮った作品とのことですね。
第1回のアカデミー賞で主演女優賞、芸術作品賞などに輝いたという、文字通り歴史に残る名作です。

ある田舎の町でつつましく暮らしている夫婦ですが、夫の方は都会から来た女性に首ったけになっています。
その女性が待つ湖にいそいそと行き、うっとりとひと時を過ごして朝帰ってくる夫の様子になんとなく気づきながら、妻は何を言うこともなくじっと暮らしています。

夫は都会の女性にそそのかされ、妻を湖での事故に見せかけて殺害する事を計画します。
「一緒に湖に行こう」と言われ、喜んで準備をする妻でしたが・・・本当は自分をここに投げ込むつもりなんだ!ということを知り、泣きながら逃げだします。
湖の向こうに着き、走って逃げ出す妻。
「怖がらないでくれ〜」と、殺そうとしといてそれかい?!とツッコみたくなるようなことを言いながら追いかける夫。
その間に夫は、自分はなんてことをしてしまったんだと猛烈に反省するんですね。
やってきた路面電車に乗り、市街地までやってきた2人。
次々にやってくる車をフラフラしながらよけるなど、コミカルな描写も楽しいです。

そして夫と妻は失われたものを取り戻すわけですが、最低限の字幕と体の演技のみでここまでシッカリ話が分かることに感激です。
逆に、余分な情報がないから映像の美しさを十分に楽しむことができるんでしょうね。
冒頭の湖の密会シーンなど・・・風景と人物のバランスというんでしょうか、それが本当に美しいです。

ストーリーはシンプルでありがちな感じですが、登場人物の気持ちやそれに沿うように変化する舞台(田舎から都会、最後はパーティー)のせいか、奥行きのある作品になっていると思います。
そして、冒頭で「どんなところでも起こる物語」といわれている通り、普遍的なテーマであるために、いつの時代の人が見ても大いに共感・感動できるところがあるんだと思います。
まあ、妻の殺害まで計画するほど都会の女性に惚れこんでだまされちゃう男は、少々情けない気もしますが・・・。
そういうことも含めて、普遍性のあるキャラクターってことなのかも知れないですね。

第1回のオスカー女優ジャネット・ゲイナーも、童顔っぽくて可愛い感じでありながら、恐怖と喜びの表情をいい感じに使い分けてとても良いです。
トリュフォーをはじめとするヌーヴェル・ヴァーグの監督達も魅了されたというこの作品、見ることができて良かったなーと思います。


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  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
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