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「チェンジリング」 を見てきました。 [映画:タ行]

2008年 アメリカ
監督 クリント・イーストウッド

イーストウッド作品は新作必ずチェックしていますが、これもずいぶん前から予告を見て楽しみにしていました。
しかも実話を基にしたストーリーだそうで、それだけでもかなり興味深いですね。

1928年のアメリカ、ロサンゼルス。
電話会社で働くシングルマザーのクリスティン・コリンズは、ある日突然息子が姿を消してしまい、何日も探し続けます。
5ヶ月後、やっと戻ってきたという息子は全くの別人・・・。
最近犯罪の解決率が悪く、なんとか市民の支持を取り付けたいロス市警は、報道陣を大勢呼んで親子の対面のシーンを大々的に演出します。

何かがおかしいと思いつつも一緒に家に帰ったクリスティン、でも背の高さは高くなるどころか低くなっているし、学校や歯医者の先生も「他人である」と認めざるを得ない状況です。
この調査結果を持ち、警察に「再度探してくれ」とかけあうものの、警察は応じないどころか「精神に異常をきたしている」という理由で病院に送ってしまいます・・・!

前々から警察権力の腐敗について調査などを行っている牧師、そしてまったく別の事件で、とある農場に事件調査に向かった警部。
彼らの動きもだんだんと絡み合って行き、最終的に1つの結論が明らかになっていく・・・という展開の重厚さには相変わらずすごい!の一言です。

牧師の働きによって病院から解放されたクリスティン、彼女はそれから警察権力と戦うことになります。
彼女を動かしている力はただ1つ、自分の息子を取り戻したいということだけです。
それが大きなパワーとなり、最終的に何人もの人が救われることになるのも感動的です。

それにしてもこれが実際に起きたことだというのが、本当に恐ろしいです。
重くてグッタリ来るような事実ですが、映画はそれほど重々しくないのは非常に良いと思います。
比較的事実を淡々と描いていることと、最後に少しだけとはいえ救いがあるからでしょうかね・・・。

この作品の最大のテーマは権力の腐敗でも事件の残忍さでもなく、母親の強さなんですよね。
細くてか弱いように見える女性が、自分の子供のためなら苦痛にも耐え、警察にも乗り込んでいく。
世界中の母親の方たちを尊敬したくなるとともに、自分もなんだかパワーをもらったような気がしました。

アンジェリーナ・ジョリーも良かったです。
アクション映画の人、というイメージがなんとなくありましたが、今回のような抑えた演技もとても良くて、女優としての実力を見せてもらった感じです。
前半、息子を捜すために奔走している部分ではやつれた感じだったのが、最後の方では自信を取り戻したような感じで美しく笑うのが印象的でした。

そしてイーストウッド監督・・・いつも思うんですが本当に毎回「これが最後!」といわんばかりの渾身の映画を見せてくれますね。
ただ今回はもう次があることが分かっているので、最後かもという不安はないですが・・・。
次作『グラン・トリノ』もとっても待ち遠しいです!


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hash

こんばんは。
素晴らしい作品でしたね。
悲劇なのに、鑑賞後の余韻にひたれるところが凄いです。
「グラントリノ」も楽しみです。
by hash (2009-04-03 00:18) 

トミュウ

> hashさま
こんばんわ!nice!とコメント、TBありがとうございます。
テーマは結構ずっしり重いのに、見た後暖かい気持ちに
なれるんですよね。
「グラン・トリノ」ももうすぐですね!
by トミュウ (2009-04-03 22:59) 

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