「プレシャス」 を見てきました。 [映画：ハ行]
2009年 アメリカ
監督 リー・ダニエルズ
第82回アカデミー賞の助演女優賞、脚色賞を初め、サンダンス映画祭のグランプリなど数々の賞に輝いた話題の作品ですね。
全く演技経験がないながら、いきなりアカデミー主演女優賞にノミネートされたガボレイ・シディベも話題になりましたね。
1987年のハーレムで暮らす16歳の女の子、クレアリース・プレシャス・ジョーンズ。
彼女は今２人目の子供を妊娠していて、しかもその父親は自分の父。
プレシャスは生活保護を受給している母親と２人暮らしで、その母親も彼女に対して肉体的精神的な虐待をしています。
読み書きが出来ないながらも高校に通っていたプレシャスですが、妊娠がバレて学校を辞め、フリースクールに通うことに。
そこにはいろいろな境遇の女の子達が通っていて、レイン先生が個性的な彼女達を優しく見守っています。
「ここが自分の居場所」と悟ったプレシャスは、書くことによって自分を表現し、それによって守りたいものを見つけて行きます・・・。
序盤は本当に苦しい感じでした。
無理矢理妊娠させられたにも関わらず、母親からは本当に憎まれ暴言を浴びせられ、何をしても何を言っても全く無駄という諦め感。
そこからの唯一の救いとして、プレシャスは自分の理想の男性と華やかなステージで歌い踊る様子を夢見ます。
これがなかなかキュートで楽しげで、前半の凄惨さが和らいでいて良かったです。
フリースクールに通い始める前までのプレシャスは、虐待の影響で「自分」を出すことを許されなかったんですよね。
初日は自己紹介も躊躇していた彼女が、自分のことを話し、自分の思いを文字にし、そして皆の前で発表するまでになる・・・という過程が非常に感動的です。
母親のしたたかさっぷりも本当に特筆していて、ソーシャルワーカーが来るときだけ孫思いのいい祖母＆母親を演じて、帰ると突然娘にキレだすとか・・・本当に言葉も出ないという感じでしたね。
ラストの独白も、娘のことよりもやっぱり自分のこと・・・１ミリも同情の余地がない母親を、モニークがアカデミー賞受賞も納得の演技で見せてくれました。
モニーク自身は虐待を受けていたらしく、彼女が活躍するまではアフリカ系女性に対する差別は本当にひどかったようですので、本当にこの役はつらかったというインタビューを見ると泣けてきます。
この話は80年代のハーレムが舞台になっていますが、形は違えどいろいろな虐待って世界中どこでも起きていることだと思うんですよね。
プレシャスも、はじめは自分の状況を変えようと思っていなかった、それがレイン先生やソーシャルワーカーの力によって変えることが出来ると気づくんです。
わたし個人的には、やはりこういう状況を脱するには当事者がそれに「気づく」ことが第一歩だと思っていて、次はそういう気づいた人達を受け入れる施設などがちゃんと揃っていることだと思っています。
似たような苦しみを抱えた人達がちゃんと気づき、ちゃんと保護される・・・そういう体制がシッカリ揃った世の中になれば良いと心から思います。
ちなみにテーマは結構重いですが、前述の歌のシーンとか、フリースクールの女の子達のキャッキャした様子とか、楽しい要素も結構あって、そういう部分も救いになっていると思います。
レニー・クラヴィッツやマライア・キャリーがこの映画に共感して出演しているというのも見所ですね。
この２人、本当にいい感じで演じていて、ミュージシャンの姿とは違う１面が見れただけではなく俳優としてもかなり良いと思いました。
ガボレイ・シディベも良かったです。演技初挑戦とは思えない堂々とした演技で、この後どんな作品に出るのか楽しみです。
↓こちらは原作本
監督 リー・ダニエルズ
第82回アカデミー賞の助演女優賞、脚色賞を初め、サンダンス映画祭のグランプリなど数々の賞に輝いた話題の作品ですね。
全く演技経験がないながら、いきなりアカデミー主演女優賞にノミネートされたガボレイ・シディベも話題になりましたね。
1987年のハーレムで暮らす16歳の女の子、クレアリース・プレシャス・ジョーンズ。
彼女は今２人目の子供を妊娠していて、しかもその父親は自分の父。
プレシャスは生活保護を受給している母親と２人暮らしで、その母親も彼女に対して肉体的精神的な虐待をしています。
読み書きが出来ないながらも高校に通っていたプレシャスですが、妊娠がバレて学校を辞め、フリースクールに通うことに。
そこにはいろいろな境遇の女の子達が通っていて、レイン先生が個性的な彼女達を優しく見守っています。
「ここが自分の居場所」と悟ったプレシャスは、書くことによって自分を表現し、それによって守りたいものを見つけて行きます・・・。
序盤は本当に苦しい感じでした。
無理矢理妊娠させられたにも関わらず、母親からは本当に憎まれ暴言を浴びせられ、何をしても何を言っても全く無駄という諦め感。
そこからの唯一の救いとして、プレシャスは自分の理想の男性と華やかなステージで歌い踊る様子を夢見ます。
これがなかなかキュートで楽しげで、前半の凄惨さが和らいでいて良かったです。
フリースクールに通い始める前までのプレシャスは、虐待の影響で「自分」を出すことを許されなかったんですよね。
初日は自己紹介も躊躇していた彼女が、自分のことを話し、自分の思いを文字にし、そして皆の前で発表するまでになる・・・という過程が非常に感動的です。
母親のしたたかさっぷりも本当に特筆していて、ソーシャルワーカーが来るときだけ孫思いのいい祖母＆母親を演じて、帰ると突然娘にキレだすとか・・・本当に言葉も出ないという感じでしたね。
ラストの独白も、娘のことよりもやっぱり自分のこと・・・１ミリも同情の余地がない母親を、モニークがアカデミー賞受賞も納得の演技で見せてくれました。
モニーク自身は虐待を受けていたらしく、彼女が活躍するまではアフリカ系女性に対する差別は本当にひどかったようですので、本当にこの役はつらかったというインタビューを見ると泣けてきます。
この話は80年代のハーレムが舞台になっていますが、形は違えどいろいろな虐待って世界中どこでも起きていることだと思うんですよね。
プレシャスも、はじめは自分の状況を変えようと思っていなかった、それがレイン先生やソーシャルワーカーの力によって変えることが出来ると気づくんです。
わたし個人的には、やはりこういう状況を脱するには当事者がそれに「気づく」ことが第一歩だと思っていて、次はそういう気づいた人達を受け入れる施設などがちゃんと揃っていることだと思っています。
似たような苦しみを抱えた人達がちゃんと気づき、ちゃんと保護される・・・そういう体制がシッカリ揃った世の中になれば良いと心から思います。
ちなみにテーマは結構重いですが、前述の歌のシーンとか、フリースクールの女の子達のキャッキャした様子とか、楽しい要素も結構あって、そういう部分も救いになっていると思います。
レニー・クラヴィッツやマライア・キャリーがこの映画に共感して出演しているというのも見所ですね。
この２人、本当にいい感じで演じていて、ミュージシャンの姿とは違う１面が見れただけではなく俳優としてもかなり良いと思いました。
ガボレイ・シディベも良かったです。演技初挑戦とは思えない堂々とした演技で、この後どんな作品に出るのか楽しみです。
↓こちらは原作本
- 作者: サファイア
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/04/10
- メディア: 文庫
こんばんは。
色々考えさせられる映画でしたね。それに、うまく創ってあったと思います。
前半は観ているのが苦しいくらいでしたが、だんだんいい方向に動いていって、救いがあったのがよかったです。
それに最後はプレシャスが、母親として強く生きていくのが感じられ、こちらが励まされるような気がしました。
出演者もよかったですね。TBさせていただきます。
by coco030705 (2010-05-17 01:16)
＞前半の凄惨さ
話題の作品ですが、見るからに辛そうで、映画館では観られそうにないですが、いずれは観たいと思います。
by hash (2010-05-18 00:30)
> ココさん
こんばんは。nice！とコメント、TBありがとうございます！
そうそう、母親って強い〜と感動しました。
いろいろ考えさせられる作品でしたね。
by トミュウ (2010-05-21 23:11)
> hashさん
こんばんは！nice！とコメントありがとうございます。
確かに苦しくなる描写が多かったです・・・。
でも、後半に行くにつれて希望が少しずつ見えてくる所が
本当に良い作品です。
見たら是非感想聞かせて下さい！
by トミュウ (2010-05-21 23:13)
こんにちは〜☆
学校での勉強が「知識を詰め込む」だけじゃなくて、
「自己の確立」にもなってるのが、なるほど〜って感じでした。
勉強って大切なんですね〜☆
プレシャスは、先生や友達などイイ出会いがあって、
そういう人たちの愛に気づけたのが偉かったです☆
前向きな良い映画でした♪
by ジジョ (2010-05-23 23:10)
> ジジョさん
こんばんは！nice！とコメントありがとうございます。
自分が学校にいた時は気づかなかったけど、勉強ができる機会
があるって素晴らしいことなんですね〜。
前向きになれる映画でしたね。良かったです。
by トミュウ (2010-05-25 23:02)