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「何も変えてはならない」 を見てきました。 [映画:ナ行]

2009年 ポルトガル=フランス
監督 ペドロ・コスタ

ポルトガルを代表する監督、ペドロ・コスタ監督の作品は公開されると必ず見たいと思っているのですが、それでもまだ見逃しているものは多いですね・・・。
今作は『コロッサル・ユース』に続く作品で、女優としても活躍しているジャンヌ・バリバールの音楽活動を追ったドキュメンタリーです。

活動を追う・・・とはいってもドラマチックな出来事などはほぼなく、スタジオでのリハーサルだかレコーディングだかの様子が延々と映されています。
小さいブースで同じフレーズを何度も何度も歌い、試行錯誤するジャンヌ・バリバールの横顔が非常に印象的です。

時折バンドのギタリストが登場し、彼もいろいろと試しながら何度も同じ所を繰り返したりしています。
この反復というのが、普通だったら退屈過ぎてなんだかな〜という感じになりそうな所でもあるんですが、ジャンヌはじめメンバーの真剣な姿を見ていると、この繰り返しの中から何かすごいものが出てくるんじゃないかという気がして、結構目が離せませんでした。

自分も一時期音楽やっていたことあるんですが、レコーディングも練習も、基本的には同じ曲を何度も何度もやり直したりするもんですよね。
退屈さを恐れず、そういうリアルな部分をあえてずっと映し出している所が、普通にドラマチックな展開ばかりを追い求める映画とは真逆の感じがして面白かったです。

ジャンヌ・バリバールはアルノー・デプレシャン監督の『そして僕は恋をする』などに出演した女優さんだそうですね。
彼女が音楽に対しても非常に真摯に取り組んでいる姿や、控え室でちょっと笑顔を見せる姿、そしてトレーニングでちょっと大変そうに(?)している姿などを見ていると、音楽を本当に大事にしているんだな〜というのが分かってとっても好感が持てました。
声もちょっとハスキーな感じでカッコいいです!

ペドロ・コスタ監督の作品ってあんまり音がないという印象なので、この作品の「常に音楽がある感じ」も新鮮でした(音楽の映画だから当然ですが・・・)。
邦題なかなかカッコイイですよね。これゴダール『映画史』でも使われていた言葉だそうで。
これについて監督自身もいろいろ語っていて、少々わたしには難しいですが、なんだか含みのある言葉なので、ゴダールの映画もあわせてじっくり確かめてみたいと思います。



↓これがジャンヌさんのアルバムですね〜

スラローム・ダム

スラローム・ダム

  • アーティスト: ジャンヌ・バリバール
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2010/07/21
  • メディア: CD



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コメント 2

coco030705

こんばんは。
予告編みせていただきました。ありがとうございます。
ジャンヌ・バリバール、とても素敵なかたですね。
音楽ってこうやって創るのかと、目からうろこというのか、
私たちは出来上がったものを華やかなステージでみたり、
CDで聴いたりするだけですものね。こんな地道な作業があるとは
思いませんでした。どんな職業でも同じなんだなと思いました。
地道な努力があってこそ、成り立つものなんですね。

トミュウさんも音楽活動をなさっていたんですか。いいですね。
私は今は長唄を習っています。あまり練習もしないんですが、
ちゃんと練習しないといけませんね。(^^)
by coco030705 (2010-09-03 22:18) 

トミュウ

> ココさん
コメントとnice!ありがとうございます!
そうですね、CDやステージで見る姿だけでは分からない様子が
非常に興味深い作品でした。

ココさん長唄やられてるんですね、カッコイイです!
わたしは大分昔にやっていただけなんですが・・・音楽って
聴くだけではなく自分でやるのはまた違った楽しみですよね。
by トミュウ (2010-09-05 20:14) 

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