「柔道龍虎房」 を見ました。

2004年　香港
監督　ジョニー・トー

ジョニー・トー監督作、ちょこちょこチェックしている所です。
こちらは黒澤明監督の映画『姿三四郎』をモチーフにした、柔道家のお話です。

以前は柔道界のトップ選手と呼ばれていたシト・ポウは、数年前に突然柔道を辞め、酒場の歌手として自堕落な生活を送っています。
借金取りに追われる日々を送っていたある日、トニーと名乗る男が酒場にやって来て、柔道の勝負を申し込んできました。

全く相手にしていなかったシト・ポウですが、突然ステージに上がってサックスを演奏するトニーのことを気に入った様子。
そこに、この酒場の歌い手になるため申し込んで来た女の子、シウモンがやってきて、なぜか３人で共同生活らしきものをすることになります。

それからというもの、かつてのライバルレイ・アコンが現役時代につけられなかった決着をつけようと申し込んで来たり。
シト・ボウの師匠が、つぶれ掛かっている道場を息子と共に再建して欲しいとやって来たり。
借金取りにも相変わらず追われる中、シト・ポウはどうするのか・・・。

といった感じの話なのですが、なんだか登場人物も結構多くてちょっと分かりにくい部分もありました。

ですが、さすがにジョニー・トー監督、ノワール感溢れる素敵なシーンも一杯です。
特に印象的なのは、酒場でシト・ボウ、トニー、シウモンがそれぞれ別の相手と話をしているんですが、座る席と話のタイミングが交錯して、誰が誰と話をしているか、見ている方が良く分からなくなる所。
複雑なんですが、こういうの面白いですね〜。

後半の展開はお約束通り胸が熱くなる話になって行くんですが、こういう感動系な話のストレートな描写も悪くないですね。
柔道というスポーツを題材にしながら、トー監督持ち前のノワール感を十分に味わうことができ、とても楽しく見れた作品でした。
トー監督、たくさん映画撮ってますけどやっぱりどれも「ジョニー・トーらしさ」というのはありますね〜。
他の作品もいろいろ探して、見てみたいと思います。

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